“しなや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
46.7%
13.3%
柔軟13.3%
6.7%
6.7%
6.7%
軟柔6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つい——としなやかな体を横に入れて、露八のそばへ坐ると、露八は跳び起きて
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もはや この神経のしなやかさ
独楽 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
さうして時々その古い一絃の古琴のうへに疲れたる汝の柔軟しなやかな白い手をさしのべよ。
桐の花とカステラ (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その一本一本の指はしなやかに、繊細な神経を持った生物のように動くのだった。肥っていて丸味を持ってはいたが、整った線で細長い感じだった。
指と指環 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
彼は一瞬間、その女の顔をにらむようにして視詰めた。そして無言で、すぐにその手を握った。細長いしなやかな白い指だった。
指と指環 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
誰ぞと怪しむ迄もなく其の姿のしなやかなのと着物の日影色とで分って居る、無論秀子だ、何の為に秀子が此の墓へ参るかは兼ねて不思議の一つだが
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
御覧なさい。双方の髪の毛が此の通り違って居ます、夏子のは緑が勝って色が重く、秀子のは黄が勝って色が軽いけれど、其の艶は一つです、毛筋の大小もしなやかさも、少しも異った所はなく、若し目を
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
雪の羅衣うすものに、霞の風帯ふうたい、髪には珊瑚さんご簪花さんかいと愛くるしく、桜桃おうとうに似るくちらんまぶた。いや蘭の葉そのものの如きしなやかな手ぶり足ぶり。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だが、片々に粉砕されたとはいえ、あのパルプの薄紅い光沢の木っ羽が、木の肉片がこのもこもことした、軟柔しなやかな、粘りの酸っぱい、繊維の、一種の木の練り粕にたちまちの間に変形するとは。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)