“朱欄干”の読み方と例文
読み方割合
しゅらんかん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夏草なつくさやつわものどもが、という芭蕉ばしょうの碑が古塚ふるづかの上に立って、そのうしろに藤原氏ふじわらし三代栄華の時、竜頭りゅうずの船をうかべ、管絃かんげんの袖をひるがえし、みめよき女たちがくれないはかまで渡った、朱欄干しゅらんかん
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ふなばた朱欄干しゅらんかんに、指を組んで、頬杖ほおづえついた、紫玉の胡粉ごふんのやうなひじの下に、萌黄もえぎあいまじへた鳥の翼のるゝのが、其処そこにばかり美しい波の立つ風情ふぜいに見えつゝ、船はする/\と滑つて
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
熱あるものは、楊柳ようりゅうの露のしたたりを吸うであろう。恋するものは、優柔しなやか御手みてすがりもしよう。御胸おんむねにもいだかれよう。はた迷える人は、緑のいらかあけ玉垣たまがき、金銀の柱、朱欄干しゅらんかん瑪瑙めのうきざはし花唐戸はなからど
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)