-
トップ
>
-
古塚
又、萬有のすぐれてめでたき事も
空にはあらず又かの
虚ろ
蘆莖の
戰ぎも
空ならず、
裏海の
濱アラルの
麓なる
古塚の上に坐して
夏草やつわものどもが、という
芭蕉の碑が
古塚の上に立って、そのうしろに
藤原氏三代栄華の時、
竜頭の船を
泛べ、
管絃の袖を
飜し、みめよき女たちが
紅の
袴で渡った、
朱欄干
わたしはあの夫婦と
途づれになると、向うの山には
古塚がある、この古塚を
発いて見たら、鏡や
太刀が沢山出た、わたしは誰も知らないように、山の陰の
藪の中へ、そう云う物を
埋めてある