“鍔広”のいろいろな読み方と例文
旧字:鍔廣
読み方割合
つばびろ57.1%
つばひろ42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それが黒い鍔広つばびろの帽子をかぶって、安物やすものらしい猟服りょうふくを着用して、葡萄色ぶどういろのボヘミアン・ネクタイを結んで——と云えば大抵たいていわかりそうなものだ。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
工学士は、井桁いげたに組んだ材木の下なるはしへ、窮屈きゅうくつに腰をけたが、口元に近々ちかぢかと吸った巻煙草まきたばこが燃えて、その若々しい横顔と帽子の鍔広つばびろな裏とを照らした。
木精(三尺角拾遺) (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ボンネットとやらいう鍔広つばひろの花帽子をかぶり、ラム酒の匂いをプンプンさせながら、艶かしく全身を屈らせて圓朝を迎えると
円朝花火 (新字新仮名) / 正岡容(著)
鍔広つばひろなる藍鼠あゐねずみ中折帽なかをれぼう前斜まへのめりかむれる男は、例のおもてを見せざらんと為れど、かの客なり。引連れたる女は、二十歳はたちを二つ三つも越したるし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)