中折帽なかをれぼう)” の例文
鍔広つばひろなる藍鼠あゐねずみ中折帽なかをれぼう前斜まへのめりかむれる男は、例のおもてを見せざらんと為れど、かの客なり。引連れたる女は、二十歳はたちを二つ三つも越したるし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
増田氏は朝早く自宅うちを出る時には、いつも背広に中折帽なかをれぼうといふ身軽な扮装いでたちで、すつと自動車のなかに乗込む。