“カバン”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:かばん
語句割合
50.0%
革包12.5%
革嚢12.5%
革提12.5%
革鞄12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これも大急ぎで手廻りの荷物を纏めると、帽子を阿弥陀あみだにかぶって、靴をブラ下げて、カバンを抱えて
水中の宮殿 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
重い革包カバンを柳の下枝にかけて、帽子をぬいで、洋服のボタンをはずして、額の汗をふきながら一杯八厘の甘露をすすっている時、どこから吹いて来るのか知らないが
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
殊に東京近傍の温泉場は一泊または日帰りの客が多く、大きい革包カバン行李こうりをさげて乗り込んでくるから、せめて三日や四日は滞在するのかと思うと、きょう来て明日あしたはもう立ち去るのが幾らもある。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
左様さようなら一寸ちょっと革嚢カバンさげてゆきかゝれば亭主ていしゅ案内するを堅く無用と止めながら御免なされと唐襖からかみ開きて初対面の挨拶あいさつおわりお辰素性のあらまし岩沼子爵の昔今を語り
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それしては高利貸めきたる男の、革提カバン下げたるが、出這入りするも異なものと、これはいふだけ野暮の沙汰か。
今様夫婦気質 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
ですから私は今日までのうちにすっかり財産を始末して、現金に換えられるだけ換えて押し入れの革鞄カバンに入れてしまいました。みんなあなたに上げるのです。
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)