革包カバン)” の例文
重い革包カバンを柳の下枝にかけて、帽子をぬいで、洋服のボタンをはずして、額の汗をふきながら一杯八厘の甘露をすすっている時、どこから吹いて来るのか知らないが
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
殊に東京近傍の温泉場は一泊または日帰りの客が多く、大きい革包カバン行李こうりをさげて乗り込んでくるから、せめて三日や四日は滞在するのかと思うと、きょう来て明日あしたはもう立ち去るのが幾らもある。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)