“かわかばん”の漢字の書き方と例文
語句割合
革鞄100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
関口は、うしろに置いてあった分厚い革鞄かわかばんを引き寄せると、中から油紙に包み、厳重に細紐ほそひもでからげた片手握りほどの太さのものを出した。
お守り (新字新仮名) / 山川方夫(著)
眉目清秀びもくせいしゅうなる青年にてその姿やや見すぼらしきが雪の降る夕なぞ胡弓入れたる革鞄かわかばんを携へ公園の樹陰を急ぎ行く姿なぞ見れば、何となく哀れにまた末頼すえたのもしき心地せらるるなり。
洋服論 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
その傘に大きく、たしか赤字で千金丹と書いてあったような気がする。小さな、今で言えばスーツケースのような格好をした黒塗りの革鞄かわかばんに、これも赤く大きく千金丹と書いたのをさげていたと思う。
物売りの声 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)