“手鞄”の読み方と例文
読み方割合
てかばん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
来太は笑いながら手鞄てかばんを下ろし、中から一本のビールを取り出した。片町坂の家で出された二本めを抜かずにもらって来たのである。
花咲かぬリラ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
荒布革あらめがはの横長なる手鞄てかばんを膝の上に掻抱かきいだきつつ貫一の思案せるは、その宜きかたを択ぶにあらで、ともに行くをば躊躇ちゆうちよせるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
葉子はその男から離れたい一心に、手に持った手鞄てかばんと包み物とを甲板の上にほうりなげて、若者の手をやさしく振りほどこうとして見たが無益だった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)