“錻力”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ブリキ56.3%
ぶりき43.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ストーヴが勢よく燃えてゐるのを見るのは、何年ぶりだらうと、ゆき子は青く光つた錻力ブリキの煙突に、ちよいちよいと指先で触れてみた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
二年ぜんの記憶をまざまざと喚び起した私は、顔の皮膚が錻力ブリキのようにこわばるのを感じた。お辞儀を返したかどうか記憶しないまま突立っていた。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
風船、ゴム玉、汽車や刀や、さまざまな珍奇な弄品おもちやが、ところ狭いまでならべられ、サアベルや鉄砲の錻力ぶりきの光つた色が、ちかちかしてゐた。
笛と太鼓 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
二日市の橋元屋という旅館の裏に住んでいる時、突然に父が帰って来て、小さな錻力ぶりきのポンプを呉れた時の嬉しかった事は今でも忘れていない。
父杉山茂丸を語る (新字新仮名) / 夢野久作(著)