トップ
>
錻力
>
ブリキ
ふりがな文庫
“
錻力
(
ブリキ
)” の例文
ストーヴが勢よく燃えてゐるのを見るのは、何年ぶりだらうと、ゆき子は青く光つた
錻力
(
ブリキ
)
の煙突に、ちよいちよいと指先で触れてみた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
二年
前
(
ぜん
)
の記憶をまざまざと喚び起した私は、顔の皮膚が
錻力
(
ブリキ
)
のように
剛
(
こわ
)
ばるのを感じた。お辞儀を返したかどうか記憶しないまま突立っていた。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それは故意か偶然か、変電所の壁を通って向いの家の
廂
(
ひさし
)
へ渡り、其の端が
錻力
(
ブリキ
)
で作った
樋
(
とい
)
に触れていたのである。
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それだのに、お千世に口の掛からない時は、宵から、これは何だ、と阿婆が茶の缶の
錻力
(
ブリキ
)
を、指で
弾
(
はじ
)
いて見せると云うまで、清葉は聞伝えているのであった。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そのうちの一人が
錻力
(
ブリキ
)
を叩くような声で命令した。彼は奴隷のように柔順にだまって出て行った。
犠牲者
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
▼ もっと見る
「あんたの同棲してゐる女は今宮の
錻力
(
ブリキ
)
職人の娘で、喫茶店にゐた女やいふさうやが、あんたは親戚中の面よごしや。それも器量のええ女やつたら、まだましやが……。」
六白金星
(新字旧仮名)
/
織田作之助
(著)
支那人は、
錻力
(
ブリキ
)
で特別に作らせた、コルセット様の、ぴったりと人間の胴体に合う中が空洞となった容器に、酒精を満し、身肌につけて、上から服を着、何食わぬ顔で河岸からあがってきた。
国境
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
朝さむきマルセーユにて白き霜
錻力
(
ブリキ
)
のうへに見えつつあはれ
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
雪江の父は今宮で
錻力
(
ブリキ
)
の職人をしてゐるが、十八の歳、親孝行だから飛田の遊廓へ行けと酒を飲みながら言はれたので、家を飛び出して女工をしたり喫茶店に勤めたりした
挙句
(
あげく
)
六白金星
(新字旧仮名)
/
織田作之助
(著)
物置きは、三坪ばかりで、部屋の部分は、新しい
錻力
(
ブリキ
)
の巻いたのがしまひ込んであつた。天窓が一つあるきりで、電気も水もない。荒物屋では、古い畳を二畳ほど敷いてくれた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
器
(
うつは
)
はたとへ、
蓋
(
ふた
)
なしの
錻力
(
ブリキ
)
で、
石炭
(
せきたん
)
臭
(
くさ
)
い
菜
(
さい
)
が、
車麩
(
くるまぶ
)
の
煮
(
に
)
たの
三切
(
みきれ
)
にして、「おい
來
(
き
)
た。まだ、そつちにもか——そら
來
(
き
)
た。」で、
帆木綿
(
ほもめん
)
の
幕
(
まく
)
の
下
(
した
)
に、ごろ/\した
連中
(
れんぢう
)
へ
配
(
くば
)
つたにせよ。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“錻力(ブリキ)”の解説
ブリキ(錻力・鉄葉は当て字、語源は「薄い鉄板」を意味するnl: blik)は、鉄鋼(鋼板)をスズ(純スズ)で表面処理した表面処理鋼板。缶詰など常に水分と接触する部材に用いられるほか、かつては玩具の主要な材料でもあった。「錻」の字は日本で作られた国字。
(出典:Wikipedia)
錻
漢検1級
部首:⾦
16画
力
常用漢字
小1
部首:⼒
2画
“錻力”で始まる語句
錻力屋
錻力板
錻力圧搾機