“遠音”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とおね55.9%
とほね44.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれども、船宿の二階に離れていて、霜にゆる白刃の音を、遠音とおねに聞いているというような風流は、ちょっとないことです。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
芝居はもういているのだ。わたしは遠音とおねはやしを聞いて、「今頃は友達が舞台の下で、豆乳を買って食べてるな」と想った。
村芝居 (新字新仮名) / 魯迅(著)
江戸開府以來の捕物の名人と言はれた錢形の平次は、春の陽が一杯に這ひ寄る貧しい六疊に寢そべつたまゝ、紛煙草をせゝつて遠音とほねうぐひすに耳をすまして居りました。
三味線さみせん太鼓たいこは、よその二階三階にかいさんがい遠音とほねいて、わたしは、ひつそりと按摩あんまはなした。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)