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遠音
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とほね
ふりがな文庫
“
遠音
(
とほね
)” の例文
江戸開府以來の捕物の名人と言はれた錢形の平次は、春の陽が一杯に這ひ寄る貧しい六疊に寢そべつたまゝ、紛煙草をせゝつて
遠音
(
とほね
)
の
鶯
(
うぐひす
)
に耳をすまして居りました。
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
三味線
(
さみせん
)
太鼓
(
たいこ
)
は、よその
二階三階
(
にかいさんがい
)
の
遠音
(
とほね
)
に
聞
(
き
)
いて、
私
(
わたし
)
は、ひつそりと
按摩
(
あんま
)
と
話
(
はな
)
した。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
轟
(
がう
)
と響く
遠音
(
とほね
)
とゝもに、汽車が北から南へ走るのが、薄絹を
透
(
す
)
いて
手遊品
(
おもちや
)
の如く見えた。其の煙突からは煙とゝもに赤く火を
噴
(
ふ
)
き出した。
暗
(
やみ
)
は
早
(
は
)
やぢり/\と石段を登つて來さうであつた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ふるさとの潮の
遠音
(
とほね
)
のわが胸にひびくをおぼゆ初夏の雲
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
遠音
(
とほね
)
に きりり 近郊電車のせつかちな軋りかた…
雪
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
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2、
音色
(
ねいろ
)
は、霞むやうな銀の鈴の
遠音
(
とほね
)
の断続。
「香水の表情」に就いて:――漫談的無駄話――
(新字旧仮名)
/
大手拓次
(著)
あはれ、いのちの
小鼓
(
こつづみ
)
の鳴の
遠音
(
とほね
)
と
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
答ふらむ
遠音
(
とほね
)
を聞きて
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
いま聴くは
市
(
いち
)
の
遠音
(
とほね
)
か
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
梭
(
をさ
)
の
遠音
(
とほね
)
を聞かめやも
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
貝は
遠音
(
とほね
)
にこたふ。
月に吠える:02 月に吠える
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
君こそは
遠音
(
とほね
)
に響く
我が愛する詩人の伝記
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
寶屋の家に殘つたのは、主の清右衞門と娘のお島だけ、そのお島は風邪の氣味で
引籠
(
ひきこも
)
つて居り、櫻の馬場の騷ぎを
遠音
(
とほね
)
に聽いて、自分の部屋に引つ込んで居りました。此時
銭形平次捕物控:301 宝掘りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
夕汽車
(
ゆふぎしや
)
の
遠音
(
とほね
)
もしづみ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
一とたび鐘の音にかき亂された闇は、元より靜かな
閑寂
(
かんじやく
)
さに返つて、町の
遠音
(
とほね
)
も死んだやう。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
祭太鼓の
遠音
(
とほね
)
を縫つて、蟲の音がジージーと耳に沁みます。
銭形平次捕物控:308 秋祭りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
遠
常用漢字
小2
部首:⾡
13画
音
常用漢字
小1
部首:⾳
9画
“遠”で始まる語句
遠
遠方
遠慮
遠近
遠退
遠江
遠山
遠眼鏡
遠路
遠州