“とおね”の漢字の書き方と例文
語句割合
遠音100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
市街地にも種物商や肥料商が入込んで、たった一軒の曖昧屋ごけやからは夜ごとに三味線の遠音とおねが響くようになった。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
一人、丘の上なるがけに咲ける山吹と、畠の菜の花の間高き処に、しずかにポケット・ウイスキーを傾けつつあり。——うぐいす遠くる。二三度鶏の声。遠音とおね河鹿かじか鳴く。
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かすかにうぐいす遠音とおねが、話のあいの様に聞えて来たりした。昔を語るにふさわしい周囲の情景だった。
二癈人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)