手遊品おもちや)” の例文
食物や手遊品おもちやの店を見て𢌞はつたりした光景を、小池は頭の中で繪のやうにひろげながら、空想は何時いつしか十五年前の現實に飛んで、愛宕あたごさんの祭のことを追懷つゐくわいしてゐた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
がうと響く遠音とほねとゝもに、汽車が北から南へ走るのが、薄絹をいて手遊品おもちやの如く見えた。其の煙突からは煙とゝもに赤く火をき出した。やみやぢり/\と石段を登つて來さうであつた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)