“てがみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手紙71.6%
書状8.0%
書簡4.5%
尺牘2.3%
尺翰2.3%
手簡2.3%
書信2.3%
艶書1.1%
函書1.1%
手書1.1%
文書1.1%
玉章1.1%
素書1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先生せんせいふた、翌日よくじつでした、使者しゝや手紙てがみもついまから生徒せいと數名すうめいれて遠足ゑんそくにゆくがきみ仲間なかまくははらんかといふ誘引さそひです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
その翌々日の事であった、東京なる高山法学士から一つう書状てがみが村長のもとに届いた。その文意は次の如くである。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
国元では伜が今までにない初めての入用いりよう、定めし急な買物であろうと、眼鏡は掛ても書簡てがみの裏は透さずに、何がしという為替かわせを早速送り越したので、貞之進は見るより早くその暮方
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
時間よりもながい尺牘てがみを 一通
独楽 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
(下略)是当年(天保十亥とし)十一月廿九日出の尺翰てがみなり。此文をもつても越後の雪を知るべし。
李将仕りしょうしと相談して、二つの手簡てがみを持って往かすことにした。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
過ぐる日の喀血かっけつに、一たびは気落ちしが、幸いにして医師いしゃの言えるがごとくそのあとに著しき衰弱もなく、先日函館はこだてよりの良人おっと書信てがみにも帰来かえりの近かるべきを知らせ来つれば
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
艶書てがみをお贈り遊ばしたり、此の間から私にちょい/\御冗談を仰しゃることもあって、それから何うも私は貴方が忌になりました
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
祖「何ういう事も何もない、父の屍骸しがいかたわらに汝の艶書てがみおとしてあったのが、汝の天命である」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ある日朝早く書斎に入ってみるとつくえの上に函書てがみがのっかっていて、固く封緘ふうかんをしてあった。そして函書には「仲氏啓おとうとひらく」としてあった。よく見るとそれは兄の筆迹であった。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
妾をば別にとがめざるべき模様なりしに、よいのほどしたため置きし葉石への手書てがみの、寝床の内より現われしこそ口惜しかりしか。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
叡山えいざんから降りて来た一人の寺侍がある。一枝いっしの梅に、文書てがみいつけて、五条の西洞院へはどう行きますかと、京の往来の者にたずねていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜は十二時、一時になつても奧のお座敷からお父さまお母さまの密々話ひそ/\ばなしの聲が洩れ聞えます。お兄さまも時にはお父さまに優しい慰めのお玉章てがみ差上て下さい。切なわたくしのお願ひです。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
素書てがみでは書きゝれない。私の作品は時々、この都で発行されてゐる二三の月刊雑誌に載せられる短篇小説のみで、未だ私は単独のノベルを持たない、勿論君が望んで寄した英訳本などは持たない。
素書 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)