“てがき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手書50.0%
手描25.0%
手舁25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今宵、彼女は文机ふづくえのわきに、小さい土炉どろをおいて、薬湯やくとうをたぎらせていた。——そしてこれは徒然つれづれがちな宮中ではよくしていた習性から、さる手書てがきの「古今和歌集」をお手本として手習いしていた。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
出来のよいことと産額の多いこととではこれらの町のが全国第一でありましょう。眼でもうろこでもひれでも皆手描てがきでありまして、割筆わりふでの用い方など妙を得たものであります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
元来は凡て手描てがきでありましたが、近頃は印刷することを始めましたので、ずっと見劣りがします。多くは花模様で、時には立花りっかのように花籠はなかごに活けてある様を見事に描きます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
既にしててぐるまに乗ることを許された。後には蘭軒のかごが玄関に到ると、侍数人が轎の前に集り、円い座布団の上に胡坐こざしてゐる蘭軒を、布団籠ふとんごめ手舁てがきにして君前に進み、そこに安置した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)