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艶書
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ふみ
ふりがな文庫
“
艶書
(
ふみ
)” の例文
旧字:
艷書
兄は或上級生に
艶書
(
ふみ
)
をつけられたと云って、私に話した事がある。その上級生というのは、兄などよりもずっと
年歯上
(
としうえ
)
の男であったらしい。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれども、男の
膚
(
はだ
)
は知らない処女の、
艶書
(
ふみ
)
を書くより恥かしくって、人目を避くる苦労に
痩
(
や
)
せたが、
病
(
やまい
)
は
嵩
(
こう
)
じて、夜も昼もぼんやりして来た。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大失策
(
おおしっさく
)
をやった、
大違
(
おおちげ
)
えをやったなア、考えて見りゃア成程
何
(
ど
)
うも
主
(
ぬし
)
ある女の処から
艶書
(
ふみ
)
なんぞを持って
来
(
き
)
ちゃア済まねえ、旦那には御恩になっても居りますし
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ただ心外なるはこの上かの
艶書
(
ふみ
)
の一条もし浪子より中将に武男に漏れなば大事の
便宜
(
たより
)
を失う恐れあり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
文箱
(
ふばこ
)
の中から出ましたのは、
艶書
(
ふみ
)
の束です。奥様は
可懐
(
なつかし
)
そうにそれを
柔
(
やわらか
)
な頬に
磨
(
す
)
りあてて、一々
披
(
ひろ
)
げて読返しました。中には草花の色も
褪
(
さ
)
めずに押されたのが入れてある。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
果して
卓子
(
ていぶる
)
其他の
抽斗
(
ひきだし
)
よりは目科の推量せし通り倉子よりの
艶書
(
ふみ
)
も出で
且
(
かつ
)
其写真も出たる上、猶お争われぬ
大
(
だい
)
の証拠と云う可きは
血膏
(
ちあぶら
)
の痕を留めし
最
(
いと
)
鋭き
両刃
(
もろは
)
の短剣なり
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
おかめもう
迚
(
とて
)
も此の
家
(
や
)
に足を留めている訳にはいかん、殊に証拠の
艶書
(
ふみ
)
を太左衞門が持って逃出したから必ず役所へ訴え出るに違いない、そうする時は迚も斯うしてはいられないから、己も身を
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「何をおっしゃるンです。失敬な。も一度武男の
目前
(
まえ
)
で言ってごらんなさい。失敬な。男らしく父に相談もせずに、無礼千万な
艶書
(
ふみ
)
を
吾
(
ひと
)
にやったりなンぞ……もうこれから決して容赦はしませぬ」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
検
(
あらた
)
めたまえ必ず藻西倉子の写真や
艶書
(
ふみ
)
などが
入
(
いっ
)
て居るから
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
“艶書”の意味
《名詞》
恋文。ラブレター。
(出典:Wiktionary)
艶
常用漢字
中学
部首:⾊
19画
書
常用漢字
小2
部首:⽈
10画
“艶書”で始まる語句
艶書合