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踏
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ふみ
ふりがな文庫
“
踏
(
ふみ
)” の例文
すべて雪道は人の
踏
(
ふみ
)
かためたる
跡
(
あと
)
のみをゆきゝするゆゑ、いかなる広き所も道は
一条
(
ひとすぢ
)
にて
其外
(
そのほか
)
をふめば
腰
(
こし
)
をこえて雪にふみ入る也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
仕方
(
しかた
)
がない
矢張
(
やつぱ
)
り
私
(
わたし
)
も
丸木橋
(
まるきばし
)
をば
渡
(
わた
)
らずはなるまい、
父
(
とゝ
)
さんも
踏
(
ふみ
)
かへして
落
(
おち
)
てお
仕舞
(
しまい
)
なされ、
祖父
(
おぢい
)
さんも
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
であつたといふ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一向に
辨
(
わきま
)
へずして感應院
後住
(
ごぢう
)
の儀は存じも
寄
(
よら
)
ず爰にされば
一
(
ひとつ
)
の御願ひあり何卒
當年
(
たうねん
)
より五ヶ年の間諸國修行致し
諸寺
(
しよじ
)
諸山
(
しよざん
)
の
靈場
(
れいぢやう
)
を
踏
(
ふみ
)
難行苦行を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一 道を
同
(
おなじう
)
し義相
協
(
かな
)
ふを以て
暗
(
あん
)
に集合せり、故に此理を益
研究
(
けんきう
)
して、道義に於ては一身を不
レ
顧
ミ
、必ず
踏
(
ふみ
)
行ふべき事。
遺教
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
なんかと騒ぎのなかで喧嘩が始まり、一層にごった返して、子供や
老人
(
としより
)
は
踏
(
ふみ
)
つぶされるやら、
突飛
(
つきとば
)
さるゝやら、イヤもう大変の騒動でございます。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
廉平は小さなその下界に対して、高く雲に乗ったように、円く靄に包まれた丘の上に、
踏
(
ふみ
)
はずしそうに
崖
(
がけ
)
の
尖
(
さき
)
、五尺の地蔵の像で立ったけれども。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「どうするんだね」
勘次
(
かんじ
)
は
一人
(
ひとり
)
の
側
(
そば
)
へ
立
(
た
)
つて
聞
(
き
)
いた。ひよつと
首
(
くび
)
を
擡
(
もた
)
げたのは
婆
(
ばあ
)
さんであつた。
婆
(
ばあ
)
さんは
腰
(
こし
)
をのして
強
(
つよ
)
い
西風
(
にしかぜ
)
によろける
足
(
あし
)
を
踏
(
ふみ
)
しめて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
四人はウンと
踏
(
ふみ
)
堪
(
こら
)
えました。落ちる四人と
堪
(
こら
)
える四人との間で、ロープは力足らずしてプツリと切れて
終
(
しま
)
いました。
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
姫はもう死に物狂いになって、蛙たちの頭を
踏
(
ふみ
)
つけて表に飛び出しましたが、門のところまで来ると又驚きました。
オシャベリ姫
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
かぐつちみどり
(著)
左右に広げた翼は
凡
(
およ
)
そ二
米突
(
メートル
)
に余り、全身真黒な羽毛に包まれ、鷲のような鋭い爪のある両足を
踏
(
ふみ
)
ひらいている。
廃灯台の怪鳥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
その幕を張つて居る方の一人は下に居つて幕の端を持ち、他の一人は
梯子
(
はしご
)
に乗つて高い処に幕をかけて居る。その梯子の下には
草履
(
ぞうり
)
がある。
箒
(
ほうき
)
がある。
踏
(
ふみ
)
つぎがある。
塵取
(
ちりとり
)
がある。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
と女は
美
(
はなや
)
かなる声の優しくまず
問
(
とい
)
懸けたり。されど仙太は
応答
(
こたえ
)
もなさで、首をたれたるまま、時々思い出したらんように苫屋の方を振返りつつ、
的
(
あて
)
もなく
真砂
(
まさご
)
の間をざくざくと
踏
(
ふみ
)
行きぬ。
片男波
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
斬
(
きり
)
むすぶ太刀の先こそ地獄なれ たんだ
踏
(
ふみ
)
こめ先は
極楽
(
ごくらく
)
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
真珠の多い水底をお
踏
(
ふみ
)
になるや否や
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
昨夜
(
さくや
)
ちらしおきたる
苧幹
(
をがら
)
寸断
(
ずた/\
)
に
折
(
をれ
)
てあり、
是
(
これ
)
人
(
ひと
)
散
(
さんじ
)
てのち
諸神
(
しよじん
)
こゝに
集
(
あつま
)
りて
踊
(
をどり
)
玉ふゆゑ、をがらを
踏
(
ふみ
)
をり玉ふなりといひつたふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
これは
成
(
な
)
らぬと
力足
(
ちからあし
)
を
踏
(
ふみ
)
こたゆる
途端
(
とたん
)
、さのみに
思
(
おも
)
はざりし
前鼻緒
(
まへはなを
)
のずる/\と
㧞
(
ぬ
)
けて、
傘
(
かさ
)
よりもこれこそ一の
大事
(
だいじ
)
に
成
(
な
)
りぬ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「失敬な奴ぢゃ、てッたような訳だわね、不都合だよ、いけすかない、何だ手前は、」ふらふらするのを
踏
(
ふみ
)
こたえて
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
漸くに
踏
(
ふみ
)
しめ
勝手
(
かつて
)
の
屋根
(
やね
)
へ
到
(
いた
)
らんとする
機
(
をり
)
思ひも寄らぬ
近傍
(
かたへ
)
の
窓
(
まど
)
より大の男ぬつくと出ければ喜八はハツと驚き既に足を
踏外
(
ふみはづ
)
さんとするに彼の男は是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
刑事はちらと秋山を見たが、すぐに真暗な化粧室の中へ
踏
(
ふみ
)
こんで、そして電灯のスイッチを
捻
(
ひね
)
った時
謎の頸飾事件
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
さても
方様
(
かたさま
)
の憎い程な気強さ、
爰
(
ここ
)
なり
丈夫
(
おとこ
)
の志を
遂
(
と
)
ぐるはと
一
(
ひ
)
ト
群
(
むれ
)
の
同志
(
どうし
)
を率いて官軍に加わらんとし玉うを
止
(
とど
)
むるにはあらねど
生死
(
しょうじ
)
争う
修羅
(
しゅら
)
の
巷
(
ちまた
)
に
踏
(
ふみ
)
入
(
い
)
りて、雲のあなたの
吾妻里
(
あづまじ
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
雨ふれば泥
踏
(
ふみ
)
なづむ
大津道
(
おおつみち
)
我に馬ありめさね旅人
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
昨夜
(
さくや
)
ちらしおきたる
苧幹
(
をがら
)
寸断
(
ずた/\
)
に
折
(
をれ
)
てあり、
是
(
これ
)
人
(
ひと
)
散
(
さんじ
)
てのち
諸神
(
しよじん
)
こゝに
集
(
あつま
)
りて
踊
(
をどり
)
玉ふゆゑ、をがらを
踏
(
ふみ
)
をり玉ふなりといひつたふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ただただ、山一つ越せば
可
(
い
)
いわ、で
薄
(
すすき
)
、
焼石
(
やけいし
)
、
踏
(
ふみ
)
だいに、……
薄暮合
(
うすくれあい
)
——猿ヶ馬場はがらんとして、中に、すッくりと一軒家が、何か大牛が
蟠
(
わだか
)
まったような形。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
して居けるゆゑ大丈夫請出す
氣遣
(
きづか
)
ひなしと
踏
(
ふみ
)
たればこそ
嚴重
(
きびしく
)
催促
(
さいそく
)
をしたりしに今請出されては甚だ
心當
(
こゝろあて
)
が
相違
(
さうゐ
)
したりと番頭久兵衞は小首を
傾
(
かたぶ
)
けしが又心中に考ふるやう此品物を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
あらかじめロープをもって
銘〻
(
めいめい
)
の身をつないで、一人が落ちても他が
踏
(
ふみ
)
止
(
とど
)
まり、そして個〻の危険を救うようにしてあったのでありますけれども、何せ絶壁の処で落ちかかったのですから
堪
(
たま
)
りません
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
されば芝居を
造
(
つく
)
る処、此役者
等
(
ら
)
が家はさらなり、
親類
(
しんるゐ
)
縁者
(
えんじや
)
朋友
(
はういう
)
よりも人を出し、あるひは人を
傭
(
やと
)
ひ芝居小屋場の地所の雪を
平
(
たひ
)
らかに
踏
(
ふみ
)
かため
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
色が
真蒼
(
まっさお
)
になっていようと、
踏
(
ふみ
)
にじられてひいひい
呻
(
うめ
)
いていようと……そっちの事じゃ、
私
(
わし
)
は構わぬ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
されば芝居を
造
(
つく
)
る処、此役者
等
(
ら
)
が家はさらなり、
親類
(
しんるゐ
)
縁者
(
えんじや
)
朋友
(
はういう
)
よりも人を出し、あるひは人を
傭
(
やと
)
ひ芝居小屋場の地所の雪を
平
(
たひ
)
らかに
踏
(
ふみ
)
かため
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
これや
串戯
(
じょうだん
)
をしては
可
(
い
)
けないぜと、思わず
独言
(
ひとりごと
)
を言いながら、露草を
踏
(
ふみ
)
しだき、
薄
(
すすき
)
を
掻分
(
かきわ
)
け、
刈萱
(
かるかや
)
を押遣って、
章駄天
(
いだてん
)
のように追駈けまする、姿は草の中に見え隠れて
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
案内は白衣に
幣
(
へい
)
を
捧
(
さゝ
)
げて先にすゝむ。
清津
(
きよつ
)
川を
渉
(
わた
)
りやがて
麓
(
ふもと
)
にいたれり。
巉道
(
さんだう
)
を
踏
(
ふみ
)
嶮路
(
けんろ
)
に登るに、
掬樹
(
ぶなのき
)
森列
(
しんれつ
)
して日を
遮
(
さへぎ
)
り、
山篠
(
やまさゝ
)
生
(
お
)
ひ
茂
(
しげ
)
りて
径
(
みち
)
を
塞
(
ふさ
)
ぐ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
豆府屋
蹌踉
(
よろよろ
)
して
踏
(
ふみ
)
こたえ、「がみがみ
謂
(
い
)
うない、こっちあ商売だ。」と少しく
勃然
(
むっ
)
とする。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蝶吉は
躓
(
つまず
)
くように駒下駄を脱いで、
俯向
(
うつむ
)
けに
蹌踉
(
よろ
)
け込んで、障子に
打撞
(
ぶつ
)
かろうとして、肩を
交
(
かわ
)
し、
退
(
すさ
)
って、電燈を仰いで、
踏
(
ふみ
)
しめて立った。ほッという酒の息、威勢よく笑って
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ま、ま、待ちおれ
汝
(
うぬ
)
。」と
摺下
(
ずりさが
)
りたる袴の
裾
(
すそ
)
踏
(
ふみ
)
しだき、どさくさと追来る間に、
婦人
(
おんな
)
は綾子の書斎へ
推込
(
おしこ
)
み、火桶の前に
突立
(
つった
)
てば、振返る夫人の顔と、眼を見合せて
佶
(
きっ
)
となりぬ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
見事に
小狗
(
こいぬ
)
を
踏
(
ふみ
)
つけた。小村さんは
狼狽
(
うろた
)
えながら、穴を
覗
(
のぞ
)
くように土間を透かして
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大釜
(
おおがま
)
に湯気を
濛々
(
もうもう
)
と、狭い
巷
(
ちまた
)
に
漲
(
みなぎ
)
らせて、
逞
(
たくま
)
しい
漢
(
おのこ
)
が
向顱巻
(
むこうはちまき
)
で
踏
(
ふみ
)
はだかり、青竹の
割箸
(
わりばし
)
の逞しいやつを使って、
押立
(
おった
)
ちながら、二尺に余る
大蟹
(
おおがに
)
の
真赤
(
まっか
)
に
茹
(
ゆだ
)
る処をほかほかと引上げ引上げ
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
俊吉は
捗取
(
はかど
)
らぬ雪を
踏
(
ふみ
)
しめ踏しめ、
俥
(
くるま
)
を見送られた時を思出すと、傘も忘れて、降る雪に、
頭
(
つむり
)
を打たせて
俯向
(
うつむ
)
きながら、義理と不義理と、人目と世間と、言訳なさと
可懐
(
なつか
)
しさ、とそこに
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
恁
(
かか
)
る
広野
(
ひろの
)
に
停車場
(
ステエション
)
の屋根と此の
梢
(
こずえ
)
の
他
(
ほか
)
には、草より高く空を
遮
(
さえぎ
)
るもののない、其の
辺
(
あたり
)
の混雑さ、
多人数
(
たにんず
)
の
踏
(
ふみ
)
しだくと見えて、
敷満
(
しきみ
)
ちたる
枯草
(
かれくさ
)
、
伏
(
ふ
)
し、
且
(
か
)
つ立ち、
窪
(
くぼ
)
み、又倒れ、しばらくも
休
(
や
)
まぬ
間々
(
あいだあいだ
)
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
仁王立に
踏
(
ふみ
)
ごたえて、
喚
(
わめ
)
いたそうにござります。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
踏
常用漢字
中学
部首:⾜
15画
“踏”を含む語句
舞踏
踏込
踏留
踏止
踏掛
舞踏室
舞踏場
踏板
踏跨
高踏
足踏
雪踏
踏襲
踏切
踏台
踏破
踏歌
踏付
地鞴踏
舞踏曲
...