不味ふみ)” の例文
さぞ不味ふみにおあじわいになったことも多かったろう、当年の疳癪など、芸術家としての疳癪で、むしろ、思出は悪くないと思った。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
実に平壌へいじょう清兵しんへいよろしくという有様にて、四面包囲を受けしなり、ために運動意の如くならず、随て消化力減少して食気更に振わざるを以て、食物総て不味ふみにして口に入らず
「サイダー」は甘味があり粘りがあって極めて不味ふみだ、かかる時は冷き清水に越すものはない、自然は山人に「サイダー」にもまさる清水を、惜気もなく与えているのである。
白峰の麓 (新字新仮名) / 大下藤次郎(著)