手紙ふみ)” の例文
(大納言、嬉し気な表情)昨夜ゆんべ、あれの部屋に行って、ふと何気なく見ましたところが、お手紙ふみつるに折られて、天井てんじょうからぶるさがっておりましたじゃ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
これでみると、左膳のやつ、さっそく萩乃のところへ、手紙ふみをやろうとしているらしい。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
先だっても柳沢の言っていたことに、真野まのがある女にやった手紙ふみを水野がその女から取り上げて人に見せていた。他の男が女にやった手紙を女から取り上げて見るのは面白い。水野は腕がある。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
金網あみありて触れ得ぬ養母はは手紙ふみ来れば足りるひと日にぬくみかさなる
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
ナイターを見しと云ふ手紙ふみ読みへてちひさき夜空獄窓まどより仰ぐ
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
御行 先日の手紙ふみは、……あのひと……読んで下さいましたか?
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
燃えるとも濡れるともあるめしひ病む君の可愛ゆきカナの手紙ふみ読む
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)