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門
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もん
ふりがな文庫
“
門
(
もん
)” の例文
「やあ、きれいだな。
青
(
あお
)
や
赤
(
あか
)
やでぬったご
門
(
もん
)
があって、
龍宮
(
りゅうぐう
)
ってこんなきれいなところかなあ。」と、
次郎
(
じろう
)
さんは
感心
(
かんしん
)
していました。
きれいなきれいな町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と
元気
(
げんき
)
な
声
(
こえ
)
をのこして、
出
(
で
)
ていきました。おじいさんとおばあさんは、
門
(
もん
)
の
外
(
そと
)
に
立
(
た
)
って、いつまでも、いつまでも
見送
(
みおく
)
っていました。
桃太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
つい、その
頃
(
ころ
)
、
門
(
もん
)
へ
出
(
で
)
て——
秋
(
あき
)
の
夕暮
(
ゆふぐれ
)
である……
何心
(
なにごころ
)
もなく
町通
(
まちどほ
)
りを
視
(
なが
)
めて
立
(
た
)
つと、
箒目
(
はゝきめ
)
の
立
(
た
)
つた
町
(
まち
)
に、ふと
前後
(
あとさき
)
に
人足
(
ひとあし
)
が
途絶
(
とだ
)
えた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しかし、
夜
(
よる
)
になると、こっそりとはじめて、
朝
(
あさ
)
、
城
(
しろ
)
の
門
(
もん
)
があくまでうつしました。
顔
(
かお
)
ははれぼったくなり、
病人
(
びょうにん
)
のようにみえました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
が、
家
(
うち
)
の
門
(
もん
)
をはひらない
前
(
まへ
)
に、
彼
(
かれ
)
はからつぽになつた
財布
(
さいふ
)
の
中
(
なか
)
と
妻
(
つま
)
の
視線
(
しせん
)
を
思
(
おも
)
ひ
浮
(
うか
)
べながら、その
出來心
(
できごころ
)
を
少
(
すこ
)
し
後悔
(
こうくわい
)
しかけてゐた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
▼ もっと見る
しかし、之を
聞
(
き
)
いてゐる中に、下人の心には、
或
(
ある
)
勇氣
(
ゆうき
)
が生まれて來た。それは、さつき、
門
(
もん
)
の
下
(
した
)
でこの男に缺けてゐた勇氣である。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
で、
私
(
わたくし
)
は
思
(
おも
)
い
切
(
き
)
ってその
門
(
もん
)
をくぐって
行
(
ゆ
)
きましたが、
門内
(
もんない
)
は
見事
(
みごと
)
な
石畳
(
いしだた
)
みの
舗道
(
ほどう
)
になって
居
(
お
)
り、あたりに
塵
(
ちり
)
一
(
ひと
)
つ
落
(
お
)
ちて
居
(
お
)
りませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
おしんの父親は、茂右衞門の
門
(
もん
)
の扉を、足で力任せに蹴る。ドーン、ドーンといふ重い音が、森の中に反響する。そして怒鳴る。
旱天実景
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
足の向くがまゝ
芝口
(
しばぐち
)
へ
出
(
いで
)
候に付き、
堀端
(
ほりばた
)
づたひに
虎
(
とら
)
の
門
(
もん
)
より
溜池
(
ためいけ
)
へさし掛り候時は、秋の日もたっぷりと暮れ果て、唯さへ寂しき片側道。
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「健康診断を致しますから、八日正午、左記の病院に
此
(
こ
)
の状持参にておいで下さい。」とあって、
虎
(
とら
)
の
門
(
もん
)
の或る病院の名が書かれていた。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
『なるほど、これはひどい
破
(
や
)
れ
門
(
もん
)
だ。わが家のほうが、まだ貧乏も小ぢんまりしている。……これでも、中に、人が住んでいるのかしら』
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
僕
(
ぼく
)
たちの
学校
(
がっこう
)
の
門
(
もん
)
や
鉄柵
(
てつさく
)
も、もうとっくに
献納
(
けんのう
)
したのだから、
尼寺
(
あまでら
)
のごんごろ
鐘
(
がね
)
だって、お
国
(
くに
)
のために
献納
(
けんのう
)
したっていいのだと
思
(
おも
)
っていた。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
和蘭陀
(
おらんだ
)
のかんてるくというところで建造された軍艦で、
木造蒸気内車
(
もくぞうじょうきうちぐるま
)
、砲十二
門
(
もん
)
、
馬力
(
ばりき
)
百、二百十
噸
(
とん
)
というすばらしいやつだ。
顎十郎捕物帳:12 咸臨丸受取
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
家
(
いへ
)
の
門
(
もん
)
を
這入
(
はい
)
ると、今度は
門野
(
かどの
)
が、主人の留守を幸ひと、大きな声で琵琶歌をうたつてゐた。
夫
(
それ
)
でも代助の
足音
(
あしおと
)
を
聞
(
き
)
いて、ぴたりと
已
(
や
)
めた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
家財道具
(
かざいだうぐ
)
が
門
(
もん
)
の
外
(
そと
)
に
運
(
はこ
)
ばれた
時
(
とき
)
火勢
(
くわせい
)
は
既
(
すで
)
に
凡
(
すべ
)
ての
物
(
もの
)
の
近
(
ちか
)
づくことを
許容
(
ゆる
)
さなかつた。
家
(
いへ
)
を
圍
(
かこ
)
んで
東
(
ひがし
)
にも
杉
(
すぎ
)
の
喬木
(
けうぼく
)
が
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「なんだ。
己
(
おれ
)
は這入らないぞ。己の
門
(
もん
)
の石段に位は己だつてゐても好い筈だ。」主人は頗る威厳を保つて言つた積りである。
薔薇
(新字旧仮名)
/
グスターフ・ウィード
(著)
觸
(
ふれ
)
ぬ此度は相摸守殿には
玄關
(
げんくわん
)
式臺迄
(
しきだいまで
)
御見送
(
おんみおく
)
り町奉行は下座敷へ
罷出
(
まかりい
)
で
表門
(
おもてもん
)
を一文字に
推開
(
おしひら
)
けば天一坊は
悠然
(
いうぜん
)
と乘物の
儘
(
まゝ
)
門
(
もん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
二人
(
ふたり
)
の
少年
(
せうねん
)
が
泊
(
とま
)
つた
家
(
いへ
)
は、
隣村
(
りんそん
)
にも
名
(
な
)
だたる
豪家
(
がうか
)
であつた。
門
(
もん
)
のわきには
大
(
おほ
)
きな
柊
(
ひいらぎ
)
の
木
(
き
)
が、
青
(
あを
)
い
空
(
そら
)
にそヽりたつてゐた。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
一
門
(
もん
)
震撼
(
しんかん
)
、九族は根絶やし。——果然、道中何かの計画があったとみえて、見る見るうちに豊後守の顔が青ざめました。
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
門
(
もん
)
は
例
(
れい
)
の
通
(
とほ
)
り
開
(
あけ
)
つ
放
(
ぱな
)
しだから
敲
(
たゝ
)
く
世話
(
せわ
)
も
入
(
いら
)
ず、
二人
(
ふたり
)
はずん/\と
内
(
うち
)
へ
入
(
はひ
)
つて
見
(
み
)
たが
草木
(
くさき
)
が
縱横
(
じゆうわう
)
に
茂
(
しげ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのでラクダルの
居所
(
ゐどころ
)
も
一寸
(
ちよつと
)
知
(
し
)
れなかつた。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
父
(
とう
)
さんがお
家
(
うち
)
の
門
(
もん
)
の
外
(
そと
)
に
出
(
で
)
て
見
(
み
)
ますと
馬
(
うま
)
が
近所
(
きんじよ
)
の
馬方
(
うまかた
)
に
引
(
ひ
)
かれて
父
(
とう
)
さんの
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
る
前
(
まへ
)
を
通
(
とほ
)
ります。この
馬
(
うま
)
は
夕方
(
ゆふがた
)
になると、きつと
歸
(
かへ
)
つて
來
(
く
)
るのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
兼
(
かね
)
が涙ながら來し頃は早暮て、七間間口に並びしてふちん
門
(
もん
)
並の
附合
(
つきあひ
)
も廣く、此處一町はやみの夜ならず
金屏
(
きんびやう
)
の松盛ふる色を示前に支配人の
立
(
たち
)
つ居つ
うづみ火
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
此年
(
このとし
)
三の
酉
(
とり
)
まで
有
(
あ
)
りて
中
(
なか
)
一
日
(
にち
)
はつぶれしかど
前後
(
ぜんご
)
の
上天氣
(
じやうてんき
)
に
大鳥神社
(
おほとりじんじや
)
の
賑
(
にぎわ
)
ひすさまじく、
此處
(
こゝ
)
かこつけに
檢査塲
(
けんさば
)
の
門
(
もん
)
より
亂
(
みだ
)
れ
入
(
い
)
る
若人達
(
わかうどたち
)
の
勢
(
いきほ
)
ひとては
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
門
(
もん
)
の前には
彼
(
か
)
の七兵衛
老爺
(
じじい
)
が、
銀杏
(
いちょう
)
の黄なる落葉を
掃
(
は
)
いていた。横手の材木置場には、焚火の煙が白く渦巻いて、
鋸
(
のこぎり
)
の音に
雑
(
まじ
)
る職人の笑い声も聞えた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私
(
わたし
)
は
今朝
(
けさ
)
急患
(
きゅうかん
)
があつて
往診
(
おうしん
)
に
出
(
で
)
かけました。ところが
往
(
い
)
きにも
帰
(
かえ
)
りにも、
老人
(
ろうじん
)
の
家
(
うち
)
の
門
(
もん
)
が五
寸
(
すん
)
ほど
開
(
ひら
)
きかかつていたから、へんなことだと
思
(
おも
)
つたのです。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
五百
(
いお
)
は矢島
優善
(
やすよし
)
に起請文を書かせた。そしてそれを持って
虎
(
とら
)
の
門
(
もん
)
の金毘羅へ納めに往った。しかし起請文は納めずに、優善が
行末
(
ゆくすえ
)
の事を祈念して帰った。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
この妻ある日
門
(
かど
)
の
前
(
まえ
)
を流るる小さき川に沿いて
蕗
(
ふき
)
を
採
(
と
)
りに入りしに、よき物少なければ次第に谷奥深く登りたり。さてふと見れば立派なる黒き
門
(
もん
)
の家あり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
門
(
もん
)
の
戸
(
と
)
が
開
(
あ
)
いたと思ふと
小
(
ちひ
)
さな
足音
(
あしおと
)
がして、いきなりお
縁側
(
えんがは
)
のところで「さいなら!」などゝ言つてゐます。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
その
牛乳屋
(
ぎゅうにゅうや
)
の黒い
門
(
もん
)
をはいり、牛のにおいのするうすくらい
台所
(
だいどころ
)
の前に立って、ジョバンニは
帽子
(
ぼうし
)
をぬいで
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
家主
(
いへぬし
)
の
女主人
(
をんなあるじ
)
の
處
(
ところ
)
に
見知
(
みし
)
らぬ
人
(
ひと
)
が
來
(
き
)
さへすれば
其
(
そ
)
れも
苦
(
く
)
になる。
門
(
もん
)
の
呼鈴
(
よびりん
)
が
鳴
(
な
)
る
度
(
たび
)
に
惴々
(
びく/\
)
しては
顫上
(
ふるへあが
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
東
(
ひがし
)
の
門
(
もん
)
から
入
(
はひ
)
つて、
露店
(
ろてん
)
と
參詣人
(
さんけいにん
)
との
雜沓
(
ざつたふ
)
する
中
(
なか
)
を、
葵
(
あふひ
)
の
紋
(
もん
)
の
幕
(
まく
)
に
威勢
(
ゐせい
)
を
見
(
み
)
せた
八足門
(
はつそくもん
)
の
前
(
まへ
)
まで
行
(
ゆ
)
くと、
向
(
むか
)
うから
群衆
(
ぐんしう
)
を
押
(
お
)
し
分
(
わ
)
けて、
脊
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い
武士
(
ぶし
)
がやつて
來
(
き
)
た。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
どこを、どう
走
(
はし
)
ったか、自分でもわからないが、やがて、だれだか知らない人の
門
(
もん
)
のすきからもぐりこんで、そこにつんであったまきのかげに、そっとしゃがんだ。
キリストのヨルカに召された少年
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
叛乱
(
はんらん
)
に参加したのは、
近衛歩兵
(
このえほへい
)
第三連隊・歩兵第一、第三連隊・市川
野戦砲
(
やせんほう
)
第七連隊などの将兵の一部で、
三宅坂
(
みやけざか
)
・
桜田門
(
さくらだもん
)
・
虎
(
とら
)
の
門
(
もん
)
・
赤坂見附
(
あかさかみつけ
)
の線の内側を
占拠
(
せんきょ
)
し
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
例
(
たと
)
へば、
平安京
(
へいあんけう
)
の
大内裡
(
だいないり
)
の十二
門
(
もん
)
の
名
(
な
)
の
如
(
ごと
)
きで、その二三を
擧
(
あ
)
ぐればミブ
門
(
もん
)
、ヤマ
門
(
もん
)
、タケ
門
(
もん
)
は、
美福門
(
みぶもん
)
、
陽明門
(
やまもん
)
、
待賢門
(
たけもん
)
と
書
(
か
)
かれて、つひにビフク
門
(
もん
)
、ヨーメイ
門
(
もん
)
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
勿論
(
もちろん
)
、
此樣
(
こん
)
な
絶島
(
ぜつたう
)
の
事
(
こと
)
だから、
决
(
けつ
)
して
立派
(
りつぱ
)
な
建築
(
たてもの
)
ではない、けれど
可
(
か
)
なり
巨大
(
おほき
)
な
板家
(
いたや
)
で、
門
(
もん
)
には
海軍
(
かいぐん
)
の
家
(
いへ
)
と
筆太
(
ふでぶと
)
に
記
(
しる
)
され、
長
(
なが
)
き、
不恰好
(
ぶかくかう
)
な
室
(
へや
)
が
何個
(
いくつ
)
も
並
(
なら
)
んで
見
(
み
)
へるのは
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それからざっと
四半刻
(
しはんとき
)
(三十分)ばかり、いいかげんしびれのきれた頃
潜
(
くぐ
)
り
門
(
もん
)
をギーと開けて
銭形平次捕物控:131 駕籠の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私の父は
中島兼松
(
なかじまかねまつ
)
といいました。その三代前は因州侯の藩中で中島
重左
(
じゅうざ
)
エ
門
(
もん
)
と名乗った男。
幕末維新懐古談:01 私の父祖のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
ナント
異
(
おつ
)
に
出来
(
でか
)
したでは
厶
(
ござ
)
らぬか、
此詩
(
このし
)
を
懐中
(
くわいちう
)
したれば、
門
(
もん
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
驚
(
おどろ
)
かし
申
(
まを
)
さんかとは思ひしが、
夢中
(
むちう
)
感得
(
かんとく
)
の
詩
(
し
)
なれば、
何時
(
いつ
)
何処
(
どこ
)
にても、またやらかすと
云
(
い
)
ふ
訳
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
かず
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
博士は、テレビジョンの
映幕
(
スクリーン
)
を見ながら、八
門
(
もん
)
の四十センチ砲の射撃を命じたのであった。
のろのろ砲弾の驚異:――金博士シリーズ・1――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
又同じ桜花の光景が
断崖
(
きりぎし
)
に
門
(
もん
)
あり桜を霞這ひ
天上天下
(
てんじやうてんげ
)
知り難きかな とも歌はれてゐる。
晶子鑑賞
(新字旧仮名)
/
平野万里
(著)
私はかぜを引き
続
(
つゞ
)
けた。母が、「アツ」といつたまゝ
死
(
し
)
んでしまつた。すると、
妻
(
つま
)
が母に代つて
床
(
とこ
)
についた。私の
誇
(
ほこ
)
つてゐた
門
(
もん
)
から登る
花
(
はな
)
の小路は、氷を買ひに
走
(
はし
)
る
道
(
みち
)
となつた。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
山雀
(
やまがら
)
の曲芸やダークのあやつりが客を呼んでゐた奥山花屋敷の古風な木づくりの
門
(
もん
)
。
異版 浅草灯籠
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
虎
(
とら
)
の
門
(
もん
)
そとから電車に乗ったのだが、半ば無意識的に浅草公園へ来た。
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
手間
(
てま
)
が
惜
(
お
)
しさに
見舞
(
みまい
)
にも
行
(
ゆ
)
かねえしみッたれ
野郎
(
やろう
)
だ、とそれこそ
口
(
くち
)
をそろえて
悪
(
わる
)
くいわれるなァ、
加賀様
(
かがさま
)
の
門
(
もん
)
よりもよく
判
(
わか
)
ってるぜ。——つまらねえ
理屈
(
りくつ
)
ァいわねえで、
速
(
はや
)
く
羽織
(
はおり
)
を
着
(
き
)
せねえかい。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
虎
(
とら
)
の
門
(
もん
)
第一の美人として、
謳
(
うた
)
われたことのある勧業銀行の総裁吉村氏の令嬢が、その父に伴われて、その美しい姿を現わしたとき、勝平はまた思わず、自分の新妻と比べて見ずにはいられなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
其江戸の元日を
聞
(
きけ
)
ば
縉紳朱門
(
しんしんしゆもん
)
の
㕝
(
こと
)
はしらず、
市中
(
しちゆう
)
は千
門
(
もん
)
万
戸
(
こ
)
千歳
(
ちとせ
)
の松をかざり、
直
(
すぐ
)
なる
御代
(
みよ
)
の竹をたて、太平の
七五三
(
しめ
)
を引たるに、
新年
(
しんねん
)
の
賀客
(
れいしや
)
麻上下の
肩
(
かた
)
をつらねて
往来
(
ゆきゝ
)
するに万歳もうちまじりつ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
四
播磨
(
はりま
)
の国
加古
(
かこ
)
の
駅
(
うまや
)
に
丈部
(
はせべ
)
左
門
(
もん
)
といふ
五
博士
(
はかせ
)
あり。
清貧
(
せいひん
)
を
六
憩
(
あまな
)
ひて、友とする
書
(
ふみ
)
の外は、すべて
七
調度の
絮煩
(
わづらはしき
)
を
厭
(
いと
)
ふ。老母あり。
八
孟氏
(
まうし
)
の
操
(
みさを
)
にゆづらず。常に
紡績
(
うみつむぎ
)
を事として左門がこころざしを助く。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
たかむらにくらくこもれるふるでらの
門
(
もん
)
にうづくまり山時雨よく
閉戸閑詠
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
ここのみ寺より
目
(
ま
)
したに見ゆる
唐寺
(
たうでら
)
の
門
(
もん
)
の
甍
(
いらか
)
も暮れゆかむとす
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
城の
門
(
もん
)
沙のあらしの吹くなかに目のみ光れる支那の
哨兵
(
せうへい
)
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
“門”の解説
門(もん、かど)とは、敷地と外部を区切る塀や垣に通行のために開けられた出入口のこと。外構の一種。
正面口のことは、特に正門(せいもん)とよばれる。門の脇の柱を門柱(もんちゅう)、門の番人を門番(もんばん)、門の扉を門扉(もんぴ)とそれぞれ呼ぶ。
(出典:Wikipedia)
門
常用漢字
小2
部首:⾨
8画
“門”を含む語句
門外
門番
毘沙門天
小門
大門
水門
門構
門口
御門
潜門
門附
羽左衛門
中門
門田
随身門
専門家
海門
門並
門札
門違
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