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銭
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かね
ふりがな文庫
“
銭
(
かね
)” の例文
旧字:
錢
喜久井町
(
きくいちょう
)
にかえると、
老母
(
ばあ
)
さんは、
膳立
(
ぜんだ
)
てをして六畳の机の前に運んで来た。私はそれを食べながら、
銭
(
かね
)
の工面をして、出かけようとすると
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
それから暫くたった時、今日はうまい物を腹いっぱい食べて
銭
(
かね
)
を
費
(
つか
)
ってしまってやろうと思った。
寿司
(
すし
)
が第一に眼についた。
御身
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
そしてまた、町のおじさんおばさんは、いなかの人のように、お
銭
(
かね
)
のことではケチケチしません。いつも五十銭ぐらい、おだちんをくれたのです。
いぼ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
安閑としてぶらり遊んでいることは嫌いで必ずしも自分の仕事が
銭
(
かね
)
にならなくても、手と
脳
(
あたま
)
とを使って自分の意匠を出して物を
製
(
こしら
)
えて見ようというのである。
幕末維新懐古談:41 蘆の葉のおもちゃのはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「いいんだよ。
怒
(
おこ
)
ってるんじゃないんだ。いいから
銭
(
かね
)
をとって、お前だけ寝ればいいんだよ。」
プウルの傍で
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
「なる程嬉しかつたよ。ほんとに嬉しいもんだな、落した
銭
(
かね
)
を拾ふといふものは。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そこでまた思い切ってその
翌朝
(
よくあさ
)
、今度は
団飯
(
むすび
)
もたくさんに用意する、
銭
(
かね
)
も少しばかりずつ何ぞの折々に叔父に
貰
(
もら
)
ったのを
溜
(
た
)
めておいたのをひそかに取り出す、足ごしらえも厳重にする
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
幾干
(
いくら
)
入
(
はいっ
)
てるものかね。ほんとに一片何銭に
当
(
つ
)
くだろう。まるでお
銭
(
かね
)
を
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
あんた、
銭
(
かね
)
を儲けなければならないなんて、それは何とか出来るじゃありませんか。あんたただ一人きりの大切な娘がそんな一通りならぬ病気を
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
そんな田畑があるなら、それを売払つて、その
銭
(
かね
)
で白米を買つたなら、
善
(
よ
)
かりさうなものだが、その田畑は亡くなつた
親父
(
おやぢ
)
が
拵
(
こしら
)
へたものだけに、その男の自由にもなり兼ねるらしい。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
お吉
其儘
(
そのまま
)
あるべきにあらねば雇い
婆
(
ばば
)
には
銭
(
かね
)
やって
暇
(
ひま
)
取らせ、色々
片付
(
かたづく
)
るとて
持仏棚
(
じぶつだな
)
の奥に一つの
包物
(
つつみもの
)
あるを、不思議と開き見れば様々の
貨幣
(
かね
)
合せて百円足らず、是はと驚きて
能々
(
よくよく
)
見るに
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「ああ、これは高い
銭
(
かね
)
を出して買ったのだ」と思いながら、方々の
戸棚
(
とだな
)
を明けて見るといろんな物が入っている。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
私が
銭
(
かね
)
を勘定しいしいお宮と遊んでいるのに、柳沢は銭に飽かして遠くに連れ出すなり、外に物を食べに行くなりしようと思えば、したい
三昧
(
ざんまい
)
のことが出来る。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
それよりも斯うしていて自然に、心が変って行く日が来るまでは身体を動かすのが怠儀であったのだ。
加之
(
それに
)
銭
(
かね
)
だって差当り入るだけ無いじゃないか。帰って来て
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
まあそういうようにして、ちょび/\書籍を売っては、
銭
(
かね
)
を拵えて遊びにも行った。けれども、それでも矢張し物足りなくって、私の足は
一処
(
ひとところ
)
にとまらなかった。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「
他人
(
ひと
)
が使う
銭
(
かね
)
だから、そりゃ何に使っても可い
理由
(
わけ
)
なんだ。……何に使っても可い理由なんだ。」
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
している。それで、君がどうしても女が
欲
(
ほ
)
しいなら、
銭
(
かね
)
を五百何十円出してもらわねばならん
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
それまでいたよその家の二階がりの所帯を畳んで母親はどこか
上京
(
かみぎょう
)
辺の遠い親類にあずけ、自分の身が自由になるまで、少しでもよけいな
銭
(
かね
)
のいるのを省きたいと言っていた。
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
“銭”の解説
銭(せん、zh: 錢/钱 qián チエン、전 チョン)は、東アジアのいくつかの国の通貨である。
「銭」(旧字体「錢」)は元は農具の「鋤」を意味する漢字だったが、鍬形の貨幣があったことから貨幣の意味に転じた。通貨としては複数の意味があるが、主に
100円。
質量1銭(=匁)の銀の価値。10両にも等しい。
の2つの系統の意味がある。
(出典:Wikipedia)
銭
常用漢字
小6
部首:⾦
14画
“銭”を含む語句
金銭
小遣銭
端銭
守銭奴
銭糧
銭湯
剰銭
小銭
口銭
釣銭
一銭
借銭
銭儲
五十銭
青銭
銭入
三銭
楡銭
小使銭
賽銭箱
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