“さしゑ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
挿画38.5%
挿絵23.1%
揷画15.4%
揷絵7.7%
插繪7.7%
揷繪7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
真逆様に四番目の男のそばを遥かの下に落ちて行つた話などが、幾何いくつとなく載せてあつた間に、錬瓦れんぐわかべ程急な山腹さんぷくに、蝙蝠かうもりの様にひ付いた人間にんげんを二三ヶ所点綴した挿画さしゑがあつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あゝ、薄命はくめいなあの恋人達はこんな気味きみのわるい湿地しつちまちに住んでゐたのか。見れば物語の挿絵さしゑに似た竹垣たけがきの家もある。垣根かきねの竹はれきつて根元ねもとは虫にはれて押せばたふれさうに思はれる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
葛飾北斎かつしかほくさい水滸画伝すゐこぐわでん揷画さしゑも、誰か又是を以て如実によじつに支那を写したりと云はん。
これは上下二巻で、千八百六十三年、ニユウヨオクのハアバア書肆しよしから出てゐる。揷絵さしゑ沢山たくさんあり、その中にはまた、蕙斎けいさいの漫画などを複製したものも沢山たくさんある。
日本の女 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
現に銅板の揷絵さしゑなども朝鮮の風俗を日本の風俗として、すまして入れてゐるくらゐである。しかしそれだけに今日こんにちのわれわれから見ると一種の興味のないわけではない。
日本の女 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
おほいなるものであつたが、これはせずして年方としかた插繪さしゑ清楚せいそであつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
小さな朝食堂ブレーク・フアスト・ルームが、客間の隣にあつた。私は、こつそり、そちらへいつた。その室には、本箱があつた。私は、早速さつそく揷繪さしゑの澤山ついてるのを選んで、一册取り出した。