“さしえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
挿絵47.8%
挿画38.8%
揷画4.5%
揷絵4.5%
插絵3.0%
插画1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、一首ものしたように、それには挿絵さしえに、渡辺省亭わたなべせいていの日本画の裸体が、類のないことだったので、アッといわせもしたのだった。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
釈迦八相倭文庫しゃかはっそうやまとぶんこ挿画さしえのうち、摩耶夫人のおんありさまを、絵のまま羽二重と、友染と、あや、錦、また珊瑚さんごをさえちりばめて肉置の押絵にした。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さながら動物図鑑の揷画さしえに描ける海狸キャストオルもかくやと思われるばかり、世にも愛らしき眺めであった。
菅はその表紙をうちかえし見て、二枚ばかり中に入れてある英吉利イギリスの銅板の揷絵さしえをも眺めた。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
隠れ場所にいるような気持が感ぜられた。クリストフは窓のそばに大きな肱掛椅子ひじかけいすにすわって、膝の上に書物をひらいていた。插絵さしえの上に身をかがめて、うっとりと見とれていた。日は傾いていった。
そのまた海辺には人間よりも化け物に近い女が一人、腰巻き一つになったなり、身投げをするために合掌していた。それは「妙々車みょうみょうぐるま」という草双紙くさぞうしの中の插画さしえだったらしい。
追憶 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)