揷画さしえ)” の例文
おげんはまだ心も柔く物にも感じやすい若い娘の頃に馬琴の小説本で読み、北斎の揷画さしえで見た伏姫の物語の記憶を辿って、それをあの奥様に結びつけて想像して見た。
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
さながら動物図鑑の揷画さしえに描ける海狸キャストオルもかくやと思われるばかり、世にも愛らしき眺めであった。
これにも揷画さしえがあるが、左程見苦しい処はかいてないのである。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)