“一輪挿”の読み方と例文
読み方割合
いちりんざし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「やあ、かわいい徳利だな。これ僕の家の一輪挿いちりんざしの花瓶とそっくりですね。この口のところなんか、ほんとうにそっくりですよ」
智恵の一太郎 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
真偽の分からぬ肉筆の浮世絵の軸物を掛けて、一輪挿いちりんざし山梔くちなしの花を活けた床の間を背にして座を占めた末造は、鋭い目であたりを見廻した。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
薔薇ばらの花を刺繍ぬいにした籃入かごいりのピンクッションもそのままであった。二人しておついに三越から買って来た唐草からくさ模様の染付そめつけ一輪挿いちりんざしもそのままであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)