“山梔”の読み方と例文
読み方割合
くちなし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その外、木犀と山梔くちなしが湯殿の横の衣裳倉の前にあつて、南天、馬練などが隅にある。あまり広くも無い庭が、一ぱい草木で詰つて居る。
真偽の分からぬ肉筆の浮世絵の軸物を掛けて、一輪挿いちりんざし山梔くちなしの花を活けた床の間を背にして座を占めた末造は、鋭い目であたりを見廻した。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
山梔くちなしの蔭の砥石に柄を打つけて抜けないようにすると、何度も何度も両手で振ってみて練習をしたが、中学時代に撃剣を遣っていた御蔭であったろう。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)