ささ)” の例文
旧字:
飯に砂利をんだようにあろう、と思うたじゃでの、棄てるも勿体なし……誰方どなたぞ参詣の折には、手向の花をさされてもいと思うて、石塔の前に据置きましたじゃ。さ、さ、回向えこうをなされ。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おくれ毛を、掛けたばかりで、櫛もきちんとささっていましたが、背負しょい上げの結び目が、まだなまなまと血のように片端さがって、踏みしめてすそかばった上前の片褄かたづまが、ずるずると地をいている。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)