ばた)” の例文
村井長庵の邸から往来ばたへ下り立ったが、云うまでもなく十兵衛で、小田原提燈を手にさげて、品川の方へ歩いて行く。
村井長庵記名の傘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
五人の湯治客が囲炉裡ばたで、片耳のない武士の話をしていると、表戸を蹴開き十数人の捕り方が混み入り「三国峠の権という盗賊この家に潜みおる、からめ取るぞ」
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
行く手の降り口から、囲炉裡ばたで、片耳のない武士の話をしていた絹商人が、顔を出していた。
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)