きは)” の例文
暇乞いとまごひして戸口を出づれば、勝手元の垣のきは二十歳はたちかと見ゆる物馴顔ものなれがほの婢のてりしが、うしろさまに帯㕞おびかひつくろひつつ道知辺みちしるべす。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
アブラハムが天幕を張りしベテルの跡なるべしと云ふ所をはじめとして、道の左右は遠き山のきは、近き谷のくま、到る処に旧約の古蹟と十字軍時代の建物の名残あり。
しかはあれ、またも聴く、そがはたとな河岸かしきは
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)