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側
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がは
ふりがな文庫
“
側
(
がは
)” の例文
「まあ、
大概
(
たいがい
)
のことは
判
(
わか
)
つてゐるつもりですが、
貴女
(
あなた
)
の
側
(
がは
)
からなら、
大久保
(
おほくぼ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
がいつそ
詳
(
くは
)
しく
判
(
わか
)
つてゐる
筈
(
はず
)
ぢやないですか。」
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
成
(
な
)
りたけ
遠
(
とほ
)
く
離
(
はな
)
れて、
向
(
むか
)
う
側
(
がは
)
をお
通
(
とほ
)
んなさい。
何
(
なん
)
なら
豫
(
あらかじ
)
め
其
(
そ
)
の
用心
(
ようじん
)
で、
丁
(
ちやう
)
ど
恁
(
か
)
うして
人通
(
ひとゞほ
)
りはなし——
構
(
かま
)
はず
駈出
(
かけだ
)
したら
可
(
い
)
いでせう……
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私さう申すと何で御座いますけれど、これでも
女子
(
をんな
)
にしては極未練の無い方で、
手短
(
てみじか
)
に一か
八
(
ばち
)
か決して了ふ
側
(
がは
)
なので御座います。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「今までで一番大きいか知れんぞう! ところどころかうしたでかいのが坐つとるんだ。
側
(
がは
)
をしつかりさせるためにわざわざしたこつた。」
生活の探求
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
腕時計をするなら、プラチナ
側
(
がは
)
の余り光らない丸い7形か8形ぐらゐがよい。リボンの色は、淡
声
(
ママ
)
色系統のものがよい。
「香水の表情」に就いて:――漫談的無駄話――
(新字旧仮名)
/
大手拓次
(著)
▼ もっと見る
その大きな鏡に 太陽の光をうけさせて光らすと 火星の
側
(
がは
)
から見ると
第
(
だい
)
五
等級
(
とうきふ
)
の星の光ほどに光つてみえる……
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
だから日本の文学者が、好んで不安と云ふ
側
(
がは
)
からのみ社会を
描
(
ゑが
)
き出すのを、舶来の
唐物
(
とうぶつ
)
の様に見傚してゐる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
愛
(
あい
)
ちやんの
紅鶴
(
べにづる
)
が
花園
(
はなぞの
)
の
他
(
た
)
の
側
(
がは
)
に
越
(
こ
)
して
行
(
い
)
つて
了
(
しま
)
つてたことで、
其處
(
そこ
)
に
愛
(
あい
)
ちやんは、それが
空
(
むな
)
しく一
本
(
ぽん
)
の
木
(
き
)
に
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
らうとして、それを
試
(
こゝろ
)
みてるのを
見
(
み
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
さういふ
場合
(
ばあひ
)
に、そんな
子
(
こ
)
どもが、
田
(
た
)
におりて
行
(
い
)
つて、
雁
(
かり
)
のこぼして
行
(
い
)
つた
羽
(
はね
)
を
拾
(
ひろ
)
つて
喜
(
よろこ
)
んでゐるといふ
歌
(
うた
)
です。それをすっかり、
大人
(
おとな
)
の
側
(
がは
)
から
見
(
み
)
て
作
(
つく
)
つてゐるのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
廣
(
ひろ
)
い
室
(
しつ
)
ならば、
其中央部
(
そのちゆうおうぶ
)
、もしくは
煙突
(
えんとつ
)
の
立
(
た
)
てる
反對
(
はんたい
)
の
側
(
がは
)
など、
稍
(
やゝ
)
それに
近
(
ちか
)
い
條件
(
じようけん
)
であらう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
文学者の
側
(
がは
)
には髪や髭に手入をして居る者もあるが、画家は
概
(
おほむ
)
ね
其
(
それ
)
等のことに無頓着な風をして居る。名物男の老主人フレデリツクは断えず酒臭い
気息
(
いき
)
をして客
毎
(
ごと
)
に話して居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
その
頃
(
ころ
)
、それが
賭博
(
とばく
)
との
疑
(
うたが
)
ひを
受
(
う
)
けて、
或
(
あ
)
る
晩
(
ばん
)
一
同
(
どう
)
がその
筋
(
すぢ
)
から
取
(
と
)
り
調
(
しら
)
べを
受
(
う
)
けるやうな
事件
(
じけん
)
が
持
(
も
)
ち
上
(
あが
)
つたが、
取
(
と
)
り
調
(
しら
)
べる
側
(
がは
)
がその
技法
(
ぎはふ
)
を
知
(
し
)
らないので
誰
(
だれ
)
かが
滔滔
(
たうたう
)
と
講釋
(
かうしやく
)
をはじめ
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
新大橋の日本橋區
側
(
がは
)
の方をいつてみると、人形町通、および
大門通
(
おほもんどほ
)
りの舊吉原(元和三年に商賣はじめ)と歌舞伎芝居の勢力を見逃すことも出來ず、魚市場、金座、大商賣、本丸も控えてゐる。
花火と大川端
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
それから
幾分
(
いくふん
)
か
過
(
す
)
ぎた
後
(
のち
)
であつた。ふと
何
(
なに
)
かに
脅
(
おびやか
)
されたやうな
心
(
こころ
)
もちがして、
思
(
おも
)
はずあたりを
見
(
み
)
まはすと、
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
例
(
れい
)
の
小娘
(
こむすめ
)
が、
向
(
むか
)
う
側
(
がは
)
から
席
(
せき
)
を
私
(
わたくし
)
の
隣
(
となり
)
へ
移
(
うつ
)
して、
頻
(
しきり
)
に
窓
(
まど
)
を
開
(
あ
)
けようとしてゐる。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
生命
(
いのち
)
の
路
(
みち
)
のもろ
側
(
がは
)
に
聳
(
そび
)
やぎ
立
(
た
)
てる
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
反対な
側
(
がは
)
の屋根の上には
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
自分達
(
じぶんだち
)
が
立
(
た
)
つた
側
(
がは
)
は、
却
(
かへ
)
つて
此方
(
こなた
)
の
山
(
やま
)
の
裾
(
すそ
)
が
水
(
みづ
)
に
迫
(
せま
)
つて、
丁度
(
ちやうど
)
切穴
(
きりあな
)
の
形
(
かたち
)
になつて、
其処
(
そこ
)
へ
此
(
こ
)
の
石
(
いし
)
を
箝
(
は
)
めたやうな
誂
(
あつらへ
)
。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
数寄屋
(
すきや
)
橋で
乗
(
の
)
り
易
(
か
)
え様と思つて、
黒
(
くろ
)
い
路
(
みち
)
の
中
(
なか
)
に、待ち
合
(
あ
)
はしてゐると、小供を
負
(
おぶ
)
つた
神
(
かみ
)
さんが、
退儀
(
たいぎ
)
さうに
向
(
むかふ
)
から近
寄
(
よ
)
つて
来
(
き
)
た。電車は
向
(
むか
)
ふ
側
(
がは
)
を二三度
通
(
とほ
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
漏つてゐるのは、底は兎も角、今すぐに眼につく所では桶の
側
(
がは
)
なのであつた。一つの桶の側の一ヶ所或ひは二ヶ所から、細い紐のやうな線を成して、水が垂れてゐるのだ。
続生活の探求
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
向
(
むか
)
う
側
(
がは
)
の
湯屋
(
ゆや
)
に
柳
(
やなぎ
)
がある。
此間
(
このあひだ
)
を、
男
(
をとこ
)
も
女
(
をんな
)
も、
一頃
(
ひところ
)
揃
(
そろ
)
つて、
縮緬
(
ちりめん
)
、
七子
(
なゝこ
)
、
羽二重
(
はぶたへ
)
の、
黒
(
くろ
)
の
五紋
(
いつゝもん
)
を
着
(
き
)
て
往
(
ゆ
)
き
來
(
き
)
した。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小川
(
おがは
)
を
描
(
か
)
いて、草をもぢや/\
生
(
は
)
やして、
其縁
(
そのふち
)
に
羊
(
ひつじ
)
を二匹
寐
(
ね
)
かして、其向ふ
側
(
がは
)
に大きな男が
洋杖
(
ステツキ
)
を持つて立つてゐる所を写したものである。男の
顔
(
かほ
)
が甚だ獰猛に出来てゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
無精
(
ぶしやう
)
して
側
(
がは
)
の石をそのままにしといてかかるものもないことはないが、さうすつと、掘り下げ中に側が崩れ落ちてからに、底で作業中の者が生き埋めにならんとも限らんのぢや。」
生活の探求
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
で、
何時
(
いつ
)
何處
(
どこ
)
から
乘組
(
のりく
)
んだか、つい、それは
知
(
し
)
らなかつたが、
丁
(
ちやう
)
ど
私
(
わたし
)
たちの
並
(
なら
)
んで
掛
(
か
)
けた
向
(
むか
)
う
側
(
がは
)
——
墓地
(
ぼち
)
とは
反對
(
はんたい
)
——の
處
(
ところ
)
に、二十三四の
色
(
いろ
)
の
白
(
しろ
)
い
婦人
(
ふじん
)
が
居
(
ゐ
)
る……
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
朗
(
ほがら
)
かに
風
(
かぜ
)
の往来を
渡
(
わた
)
る午後であつた。新橋の勧工
場
(
ば
)
を
一回
(
ひとまはり
)
して、広い通りをぶら/\と京橋の方へ
下
(
くだ
)
つた。
其時
(
そのとき
)
代助の
眼
(
め
)
には、向ふ
側
(
がは
)
の
家
(
いへ
)
が、芝居の
書割
(
かきわり
)
の様に
平
(
ひら
)
たく見えた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
(
それ
)
を、
四五軒
(
しごけん
)
行
(
い
)
つた
向
(
むか
)
う
側
(
がは
)
に、
幅
(
はゞ
)
の
廣
(
ひろ
)
い
橋
(
はし
)
を
前
(
まへ
)
にして、
木戸
(
きど
)
に
貸屋札
(
かしやふだ
)
として
二階家
(
にかいや
)
があつた。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
裸体の女の腰から
下
(
した
)
が
魚
(
さかな
)
になつて、
魚
(
さかな
)
の
胴
(
どう
)
が、ぐるりと腰を
廻
(
まは
)
つて、向ふ
側
(
がは
)
に尾だけ出てゐる。女は長い
髪
(
かみ
)
を
櫛
(
くし
)
で
梳
(
す
)
きながら、
梳
(
す
)
き余つたのを手に受けながら、
此方
(
こつち
)
を向いてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
目
(
め
)
もやゝ
爽
(
さわや
)
かに
成
(
な
)
つて、
吻
(
ほつ
)
と
呼吸
(
いき
)
をした
時
(
とき
)
——ふと、
否
(
いや
)
、はじめてと
言
(
い
)
はう、——
彼
(
かれ
)
が
掛
(
か
)
けた
斜
(
はす
)
に、
向
(
むか
)
う
側
(
がは
)
の
腰掛
(
こしかけ
)
に、
疊
(
たゝ
)
まり
積
(
つも
)
る
霧
(
きり
)
の
中
(
なか
)
に、
落
(
お
)
ちて
落
(
おち
)
かさなつた
美
(
うつく
)
しい
影
(
かげ
)
を
見
(
み
)
た。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
中
(
なか
)
から矢が二本
出
(
で
)
てゐる。鼠色の羽根と羽根の
間
(
あひだ
)
が金箔で
強
(
つよ
)
く
光
(
ひか
)
る。
其傍
(
そのそば
)
に
鎧
(
よろひ
)
もあつた。三四郎は卯の花
縅
(
おど
)
しと云ふのだらうと思つた。向ふ
側
(
がは
)
の隅にぱつと
眼
(
め
)
を射るものがある。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
御神輿
(
おみこし
)
は、あらぬ
向
(
むか
)
う
側
(
がは
)
を
練
(
ね
)
つて、
振向
(
ふりむ
)
きもしないで
四五十間
(
しごじつけん
)
ずつと
過
(
す
)
ぎる。
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
すると
唐紙
(
からかみ
)
をぴたりと
閉
(
た
)
てゝ、
向
(
むか
)
ふ
側
(
がは
)
で
三四人
(
さんよにん
)
が
聲
(
こゑ
)
を
合
(
あは
)
して
笑
(
わら
)
ひ
出
(
だ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
側
常用漢字
小4
部首:⼈
11画
“側”を含む語句
両側
側面
向側
片側
舷側
内側
此方側
右側
縁側
左側
外側
片側町
二側
入側
窓側
井戸側
側目
兩側
側室
一側
...