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締
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し
ふりがな文庫
“
締
(
し
)” の例文
だれが、その
間
(
あいだ
)
にやってきてもあわないつもりで、
入
(
い
)
り
口
(
ぐち
)
の
戸
(
と
)
を
堅
(
かた
)
く
締
(
し
)
めた。そして、
豆
(
まめ
)
を
袋
(
ふくろ
)
から
出
(
だ
)
して、
熱心
(
ねっしん
)
に
算
(
かぞ
)
えはじめました。
幸福の鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其跡
(
そのあと
)
へ
入違
(
いれちが
)
つて
来
(
き
)
たのは、
織色
(
おりいろ
)
の
羽織
(
はおり
)
、
結城博多
(
ゆうきはかた
)
の五
本手
(
ほんて
)
の
衣服
(
きもの
)
に
茶博多
(
ちやはかた
)
の
帯
(
おび
)
を
締
(
し
)
めました人物、年齢四十五六になる
品
(
ひん
)
の
好
(
よ
)
い
男
(
をとこ
)
。客
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ぼんやりした顔をぬっと突き出して帰って来たところを、いきなり襟を掴んで突き倒し、馬乗りになって、ぐいぐい首を
締
(
し
)
めあげた。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
しかし入口からぽつぽつ出て来る人たちの評判を立聞きすると、「腰巻なんぞ
締
(
し
)
めていやがる。面白くもねえ。」というのである。
裸体談義
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
寺に用のあるはずはなし、また寺の門はもう
締
(
し
)
まっているのに、女は盛装したまま暗い所をたった一人で上って行ったんだそうである。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
そこで、私はさっと輪をなげてかれの
頸
(
くび
)
にかけて
締
(
し
)
めてしまった。そのままぐっとひきしめて息の根を
絶
(
た
)
とうとする
仲間
(
なかま
)
を、私は
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
それで
其
(
そ
)
の一
町
(
ちやう
)
四
方
(
はう
)
は
晝間
(
ひるま
)
も
戸
(
と
)
を
締
(
し
)
めたといふほど、ひどい
臭氣
(
しうき
)
が、
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
の
腐
(
くさ
)
つた
人間
(
にんげん
)
の
心
(
こゝろ
)
のやうに、
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれて
飛
(
と
)
び
散
(
ち
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
斯く爲しつつ空中の鳥を目掛けて
投
(
な
)
げる時は、
網
(
あみ
)
を以て之を
覆
(
おほ
)
ふと同樣、翼を
抑
(
おさ
)
へ体を
締
(
し
)
め
付
(
つ
)
け鳥をして
飛揚
(
ひやう
)
する事を得ざらしむ。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
伯父
(
をぢ
)
さんはもう
困
(
こま
)
つてしまつて、
父
(
とう
)
さんの
締
(
し
)
めて
居
(
ゐ
)
る
帶
(
おび
)
に
手拭
(
てぬぐひ
)
を
結
(
ゆは
)
ひつけ、その
手拭
(
てぬぐひ
)
で
父
(
とう
)
さんを
引
(
ひ
)
いて
行
(
い
)
くやうにして
呉
(
く
)
れました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
餘所
(
よそ
)
の
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
は
大抵
(
たいてい
)
は
綺麗
(
きれい
)
な
赤
(
あか
)
い
帶
(
おび
)
を
締
(
し
)
めて、ぐるりと
褰
(
から
)
げた
衣物
(
きもの
)
の
裾
(
すそ
)
は
帶
(
おび
)
の
結
(
むす
)
び
目
(
め
)
の
下
(
した
)
へ
入
(
い
)
れて
只管
(
ひたすら
)
に
後姿
(
うしろすがた
)
を
氣
(
き
)
にするのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「指図役だ。何しろ三、四十人もちりぢりばらばら入り込んでいるから、誰か
締
(
し
)
めくくりをつける者がいなくてはならないからな」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
面は火のように、眼は
耀
(
かがや
)
くように見えながら涙はぽろりと
膝
(
ひざ
)
に落ちたり。男は
臂
(
ひじ
)
を
伸
(
のば
)
してその
頸
(
くび
)
にかけ、我を忘れたるごとく
抱
(
いだ
)
き
締
(
し
)
めつ
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
戸があくとすぐに、衣の上に
鼠色
(
ねずみいろ
)
の
木綿合羽
(
もめんかつぱ
)
をはおつた僧侶が二人つと
這入
(
はひ
)
つて、低い声に力を入れて、早くその戸を
締
(
し
)
めろと指図した。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
つまみ
出
(
だ
)
して
障子
(
せうじ
)
を
締
(
し
)
めた、
殘暑
(
ざんしよ
)
といふものは
惡
(
わ
)
る
惡
(
わる
)
う
暑
(
あつ
)
い、
空氣
(
くうき
)
が
通
(
かよ
)
はないから
尚
(
な
)
ほ
更
(
さ
)
らである、
曇
(
くも
)
つてゐるから
頭痛
(
づつう
)
がする、たまらぬ。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
一體
(
いつたい
)
家屋
(
かおく
)
が
新
(
あたら
)
しい
間
(
あひだ
)
は
柱
(
はしら
)
と
横木
(
よこぎ
)
との
間
(
あひだ
)
を
締
(
し
)
めつけてゐる
楔
(
くさび
)
が
能
(
よ
)
く
利
(
き
)
いてゐるけれども、それが
段々
(
だん/″\
)
古
(
ふる
)
くなつて
來
(
く
)
ると、
次第
(
しだい
)
に
緩
(
ゆる
)
みが
出
(
で
)
て
來
(
く
)
る。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
うら若い
娘
(
むすめ
)
の面影は、眼の前にちらついて、
動悸
(
どうき
)
はもう落着いていたけれど、胸が何か快く
締
(
し
)
めつけられる思いだった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
私の母は気性の派手な、負けず嫌いな、その癖
締
(
し
)
め
括
(
くく
)
りのない、学者の妻というよりは、まあ事業家の妻にした方が適任と思われる性質の女でした。
扉の彼方へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
十五の時に、
袴
(
はかま
)
をひもで
締
(
し
)
める代わりに
尾錠
(
びじょう
)
で締めるくふうをして、一時女学生界の流行を
風靡
(
ふうび
)
したのも彼女である。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
年とったこの頃では寒い頃には身体を
締
(
し
)
めつけられているようでやりきれません、風邪でも引いたりすると、ずきずきと痛むようなこともあります
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
にんじんは、さっきまで、この鉄砲を、それこそ、胸に
抱
(
だ
)
き
締
(
し
)
めていた。突然、彼はそれを失った。ところが、今また、それが彼の手に戻ってきた。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
夫人は、前川氏を意地悪く、真綿で首を
締
(
し
)
めるような
苛
(
いじ
)
め方をして、つまり精神的にサジズムによって、その不満を
癒
(
いや
)
しているような傾向があった。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「魚子夫人はアルプスの
山中
(
さんちゅう
)
に
締
(
し
)
め殺してあると博士の日記に出ています。さあ、これからアルプスへ急ぐのです」
俘囚
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
太夫
(
たゆう
)
が
締
(
し
)
めて
踊
(
おど
)
ったとて、おせんの
色香
(
いろか
)
が
移
(
うつ
)
るという
訳
(
わけ
)
じゃァなし、
芸人
(
げいにん
)
のつれあいが、そんな
狭
(
せま
)
い
考
(
かんが
)
えじゃ、
所詮
(
しょせん
)
うだつは
揚
(
あ
)
がらないというものだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ドクトルがまるで
乞食
(
こじき
)
にも
等
(
ひと
)
しき
境遇
(
きょうぐう
)
と、
思
(
おも
)
わず
涙
(
なみだ
)
を
落
(
おと
)
して、ドクトルを
抱
(
いだ
)
き
締
(
し
)
め、
声
(
こえ
)
を
上
(
あ
)
げて
泣
(
な
)
くのであった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
憑
(
つ
)
かれたように立ちなおった弥生が、見るまに血相をかえて手早く帯を
締
(
し
)
め出したとき、やにわに本降りに変わって、銀に光る太い
雨脚
(
あまあし
)
が
檐
(
のき
)
をたたいた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「町内の
湯屋
(
ゆや
)
で——一と月も前ですよ。晝湯につかつて、良い心持に
唸
(
うな
)
つてゐると、どこの野郎か知らないが、あつしの三尺を
締
(
し
)
めて行つちまひましたよ」
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ちょうどその時、前の廊下を、
箒
(
ほうき
)
をもった二人の女中が、玄が
締
(
し
)
めきらずに残して行った
障子
(
しょうじ
)
の
隙間
(
すきま
)
から私の方を覗き込むようにして見ながら通りすぎた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
小女
(
こむすめ
)
は観音堂を右にして裏手の方へ足を向けた。山西は暗い方へ
己
(
じぶん
)
から往くぞ、もう
締
(
し
)
めたぞ、と思った。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
老人は、いわれるままに、懐中からかぎをとりだして、
締
(
し
)
まりをはずし、ガラガラと板戸をひらきました。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
いつも自分で
行李
(
こうり
)
を
締
(
し
)
めていた一人の時の
味気
(
あじけ
)
なさが思い出されてきて、「とにかく二人で長くやって行きたい」とこんなところで、——
妙
(
みょう
)
にあまくなってゆく。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
そんな事で
如何
(
どう
)
やら
斯
(
こ
)
うやら
遂
(
つい
)
に本人をしゃくり出して
仕舞
(
しまっ
)
たのは罪の深い事だ。二、三日は
止
(
と
)
まって居たが果して
行
(
いっ
)
たから、ソリャ
締
(
し
)
めたと共謀者は
待
(
まっ
)
て居る。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
彼女はそれから、
小筥
(
こばこ
)
の中からそっと取りだした一枚の紙片を、鳩の足に
結
(
ゆわ
)
えつけると、庭へ出て、一度強く鳩を胸に抱き
締
(
し
)
めながら、頬をつけてから手を離した。
橋
(新字新仮名)
/
池谷信三郎
(著)
と
背中
(
せなか
)
から
抱
(
だ
)
き
締
(
し
)
めて、づる/\と
遠
(
とほ
)
くへ
持
(
も
)
つて
行
(
ゆ
)
かれたやうに
成
(
な
)
つて、
雪枝
(
ゆきえ
)
は
其時
(
そのとき
)
の
事
(
こと
)
を
思出
(
おもひだ
)
した。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
友仙
(
いうぜん
)
の
帶
(
おび
)
に
緋
(
ひ
)
ぢりめんの
帶
(
おび
)
あげも
人手
(
ひとで
)
を
借
(
か
)
りずに
手
(
て
)
ばしこく
締
(
し
)
めたる
姿
(
すがた
)
、
不圖
(
ふと
)
見
(
み
)
たる
目
(
め
)
には
此樣
(
このやう
)
の
病人
(
びやうにん
)
とも
思
(
おも
)
ひ
寄
(
よ
)
るまじき
美
(
うつ
)
くしさ、
兩親
(
ふたおや
)
は
見返
(
みかへ
)
りて
今更
(
いまさら
)
に
涙
(
なみだ
)
ぐみぬ
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そして
捲毛
(
まきげ
)
をよく
梳
(
と
)
かして房々と垂らし、
淡紅色
(
ときいろ
)
の
上衣
(
うはぎ
)
を着け、長い飾帶を
締
(
し
)
め、レイスの
長手袋
(
ミットン
)
をちやんとする頃には、裁判官か何ぞのやうに
眞面目
(
まじめ
)
くさつてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
刺
(
し
)
を通ずるまでもなく
挨拶
(
あいさつ
)
に出たが、固く引き
締
(
し
)
まった日に焼けた顔の色と云い、ショボショボした、人の好さそうな
眼
(
め
)
つきと云い、首の小さい、
肩幅
(
かたはば
)
の広い体格と云い
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
『まア
好
(
い
)
い
氣持
(
きもち
)
だこと!
望遠鏡
(
ばうゑんきやう
)
のやうに
締
(
し
)
めつけられるやうだわ』と
愛
(
あい
)
ちやんが
云
(
い
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
長羅は唇を
咬
(
か
)
み
締
(
し
)
めて宿禰を見詰めていた。宿禰は吐息を吐いて長羅の前から立ち去った。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
鋭き言葉に言い
懲
(
こら
)
されて、餘儀なく立ち
上
(
あが
)
る冷泉を、引き立てん計りに送り出だし、
本意
(
ほい
)
なげに見返るを
見向
(
みむき
)
もやらず、其儘障子を
礑
(
はた
)
と
締
(
し
)
めて、仆るゝが如く座に就ける横笛。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
重
(
おも
)
い
背嚢
(
はいなう
)
に
締
(
し
)
め
著
(
つ
)
けられる
肩
(
かた
)
、
銃
(
じう
)
を
支
(
ささ
)
へた
右手
(
みぎて
)
の
指
(
ゆび
)
、
足
(
あし
)
の
踵
(
かかと
)
——その
處處
(
ところどころ
)
にヅキヅキするやうな
痛
(
いた
)
みを
感
(
かん
)
じながら、それを
自分
(
じぶん
)
の
體
(
からだ
)
の
痛
(
いた
)
みとはつきり
意識
(
いしき
)
する
力
(
ちから
)
さへもなかつた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
しっとりしていて物事の
締
(
し
)
め
括
(
くく
)
りをちゃんと知っている
聡
(
さと
)
い子供だわ。妾は始終家を留守にしているけれど、あの子がいて呉れるから万事安心と言うものだわ。それに……(行詰る)
華々しき一族
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
かのうるはしき琴は
默
(
もだ
)
し、天の
右手
(
めで
)
の
弛
(
ゆる
)
べて
締
(
し
)
むる聖なる
絃
(
いと
)
はしづまりき 四—六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
この
他
(
ほか
)
に
家
(
いへ
)
に
召
(
め
)
し
仕
(
つか
)
はれてゐるもの
大勢
(
おほぜい
)
手
(
て
)
ぐすね
引
(
ひ
)
いて
待
(
ま
)
つてゐます。
家
(
いへ
)
の
内
(
うち
)
は
女
(
をんな
)
どもが
番
(
ばん
)
をし、お
婆
(
ばあ
)
さんは、
姫
(
ひめ
)
を
抱
(
かゝ
)
へて
土藏
(
どぞう
)
の
中
(
なか
)
にはひり、
翁
(
おきな
)
は
土藏
(
どぞう
)
の
戸
(
と
)
を
締
(
し
)
めて
戸口
(
とぐち
)
に
控
(
ひか
)
へてゐます。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
今の梅幸の栄三郎のお俊が、美しい顔に涙はなくて今にも吹き出しそうにして居る。故人片市の
婆
(
ばあ
)
さんと、故人菊之助の伝兵衛が
独
(
ひとり
)
神妙
(
しんみょう
)
にお婆さんになり伝兵衛になって舞台を
締
(
し
)
めて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
其処
(
そこ
)
では田舎にめづらしい海の魚が食へた。赤い帯を
締
(
し
)
めて
戯談
(
じやうだん
)
を言ふ女も大勢居た。藩の
好
(
い
)
い家柄の
子息
(
むすこ
)
で女房子がありながら、
此処
(
ここ
)
でさういふ女に
溺
(
おぼ
)
れて評判に立てられたこともあつた。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
その夜のあなたは、また、
薄紫
(
うすむらさき
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
に、黄色い三尺帯を
締
(
し
)
め、髪を左右に編んでお下げにしていました。
化粧
(
けしょう
)
をしていない、小麦色の
肌
(
はだ
)
が、ぼくにしっとりとした、落着きを
与
(
あた
)
えてくれます。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「お前はこの熊に似ている。
締
(
し
)
め
括
(
くく
)
りがないから、斯ういうことになる」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
刀はそれで腕を切り落した。樵人の次の刀は始めて某の首を斬った。邑宰は驚いて逃げていった。樵人は
臂
(
ひじ
)
を張り肩を怒らして
四辺
(
あたり
)
を見まわした。諸役人は急に門を
締
(
し
)
めて杖を持ってさわぎだした。
田七郎
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
味
(
あぢ
)
を
締
(
し
)
めて
同月
(
どうげつ
)
七
日
(
か
)
に
行
(
ゆ
)
くと、
完全
(
くわんぜん
)
なる
大土器
(
だいどき
)
、
及
(
およ
)
び
大土器
(
だいどき
)
の
下部
(
かぶ
)
が
取
(
と
)
れて
上部
(
じやうぶ
)
のみを
廢物利用
(
はいぶつりよう
)
したかと
思
(
おも
)
ふのと、
土器製造用
(
どきせいざうよう
)
の
石具
(
せきぐ
)
かと
思
(
おも
)
ふのと、
鋸目
(
のこぎりめ
)
に
刻
(
きざ
)
みたる
獸牙
(
じうが
)
とを
出
(
だ
)
した。
大當
(
あたあた
)
りである。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
僕はも少しで言うのを忘れてしまうところだったが、その箱は
締
(
し
)
めてありました。錠前とか、何かほかのそういったようなものでなしに、金の紐を大変込み入った
結
(
むす
)
び方にして留めてあったのです。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
締
常用漢字
中学
部首:⽷
15画
“締”を含む語句
取締
羽掻締
戸締
元締
引締
締切
噛締
音締
羽交締
締括
締直
不取締
胴締
牛蒡締
大元締
喰締
締緒
緒締
締木
下締
...