)” の例文
旧字:
俺の運命をきめるんだ——余りめられすぎているから、逃げたことが洩れた時、その逆がきたなら?——いいや、俺は生きている。
寺坂吉右衛門の逃亡 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
とはわらわなかった。むしろわしの自慢以上に、たたえてくれた。世辞でなく、穴馬の町民や土民は皆、光秀様に心服していた。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第十二第十三は蘭軒の三子柏軒と茶山の養嗣子くわん惟繩ゐじようとである。蘭軒は柏軒の詩を茶山に寄示きしした。茶山はこれをめて、菅三の詩の未だたくみならざることを言つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
供養のために、初路さんの手技てわざたたえようと、それで、「糸塚」という記念の碑を。」
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自得せぬとかめもくさしもしたことがあったか? わしは何時いつも、ただ、竹刀木剣を持って、その方たちの打ち込みを受け、隙があればその方たちを、打ち倒してつかわしたまでだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
議論する者が、それ以上にも、突っ込んで、武蔵をめれば、巌流は、それ自体が、自身を嘲蔑ちょうべつする言葉かの如く、おもてを朱にしてまでも
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
邸の外では、群衆が、大作に聞える位の大きい声で、口々にその素晴らしい、英雄的行為をめていた。大作は、眼を険しくして、眉をひそめて
三人の相馬大作 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
藤堂家中の人々がめるのも、鳥取侯が死んだと偽って郡山へ戻さなかったのも三大仇討の一つと云われるのも、講釈師が飯の種にするのものも
鍵屋の辻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
お汝をめるとき、口舌の雄とか、三寸不爛の剣を持つ謀士だとか、軽々しくいっていたが、先頃、上月城を攻撃の折といい、このたびの武勇といい
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今、渡舟わたしを下りた人々だの往来の者は、彼の赤い顔へ、英雄を仰ぐような眼をみはって、がやがやとめていた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、わら人形の据物斬すえものぎり、立木を打つ斬込の練習、宝暦九年まで隣近所でめぬ者の無い位必死の稽古を試みた。
相馬の仇討 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
われにかえった顔なのである。口々に、峰阿弥のわざめたたえた、しかし、峰阿弥はにんやりともしなかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
していなさるからには——然し、母も、父も、余人には知られるな、知らすな、と固く仰せられたのだから——でも、対手によって——百城様なら、お母様もめていなさるし——
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
とかめたたえて、ひどく偉い者あつかいにしているが、いったい、どんなことをいうのか一つ聴いてやろう
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
告別式に来た人々は、ロボットの手を握ったり、頬を撫でたりしてめた。
ロボットとベッドの重量 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
誰も、彼も、大作を、日本中で生れた、どの豪傑よりも強いと、めた。
三人の相馬大作 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
そう解して、主人の一面を、ひどく磊落らいらくな、またその人物の大きな所以ゆえんであるとして、めちぎる家臣もあるが、毛受勝助などは、それを阿諛あゆの言として、いても反対な苦言を呈している方だった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
七瀬は、斉彬のめてくれる言葉を、責められているように聞いた。寛之助の死は、斉彬にとって、後嗣あとつぎを失う大事であると共に、七瀬にとっても、仙波の家を去らなければならぬ大事であった。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
そしてまた、初めて、健気なことよと、子をめた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
或いは——調所がおったなら、めてくれるかもしれぬ。あれは、出来たらこの上ないが、出来るか出来ぬか、判らんものに、金は出せんと、反対しておったが、今存命なら、喜んでくれるであろう
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
と、めたが、その念入りの越前守が
大岡越前の独立 (新字新仮名) / 直木三十五(著)