トップ
>
金蛇
>
きんだ
ふりがな文庫
“
金蛇
(
きんだ
)” の例文
月は中天にありて一条の
金蛇
(
きんだ
)
波上に
馳
(
は
)
する処、ただ見る十数
艘
(
そう
)
の漁船あり。
篝
(
かがり
)
を
焚
(
た
)
き、
舷
(
ふなばた
)
を鳴して、
眼下
(
めのした
)
近く
漕
(
こ
)
ぎ寄せたり。
金時計
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
入江の奧より望めば舷燈高くかゝりて星かとばかり、燈影低く映りて
金蛇
(
きんだ
)
の如く。寂漠たる山色月影の
裡
(
うち
)
に浮んで
恰
(
あたか
)
も畫のやうに見えるのである。
少年の悲哀
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
夜はほのぼのと明けて、太陽の光が東の天に
金蛇
(
きんだ
)
を走らしたころに、一同は身軽に
旅装
(
りょそう
)
をととのえた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
下弦
(
げゞん
)
の
月
(
つき
)
は
皓々
(
かう/\
)
と
冴
(
さ
)
え
渡
(
わた
)
りて、
金蛇
(
きんだ
)
走
(
はし
)
らす
浪
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
には、たゞ
本艦
(
ほんかん
)
の
蒸滊機關
(
じようききくわん
)
の
響
(
ひゞき
)
のみぞ
悽
(
すさ
)
まじかつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そして女の
金蛇
(
きんだ
)
の
腕環
(
うでわ
)
を取って、そこからつかみ出すやいな、土間の一隅に
埋
(
い
)
けてあった三箇の大きな
酒甕
(
さけがめ
)
のうちの一つへ、
女将
(
おかみ
)
の体を
逆
(
さか
)
しまに
放
(
ほう
)
り込んでしまった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
入り江の奥より望めば
舷燈
(
げんとう
)
高くかかりて星かとばかり、燈影低く映りて
金蛇
(
きんだ
)
のごとく。
寂漠
(
せきばく
)
たる山色月影のうちに浮かんで、あだかも絵のように見えるのである。
少年の悲哀
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
ぼくらはなおもかわるがわる望遠鏡をとってながめたが、もう太陽は西にかたむいて海波に
金蛇
(
きんだ
)
がおどれば、
蒼茫
(
そうぼう
)
たるかなたの雲のあいだに例の白点が消えてしまった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
肉づきのいい
雪膚
(
せっぷ
)
の
腕
(
かいな
)
もあらわにむき出した
羅衣軽裳
(
らいけいしょう
)
の若い
女将
(
おかみ
)
で、
柘榴
(
ざくろ
)
色の唇をキュッとゆがめ、
金蛇
(
きんだ
)
の
腕環
(
うでわ
)
のみえる手を頬の辺りにやって、さっきから虫を抑えていた風だった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
蛇
常用漢字
中学
部首:⾍
11画
“金”で始まる語句
金
金色
金子
金盥
金持
金剛石
金襴
金槌
金箔
金魚