)” の例文
……それから以来はれがやつても伯母の方から来るのが型になつてしまつたんですが……なかにはかういつた過ちの功名もありました。
(新字旧仮名) / 喜多村緑郎(著)
はやだねとおきやうさとせば、そんならおめかけくをめにしなさるかとふりかへられて、れもねがふてところではいけれど
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
にんじん(押入れの奥である。二本の指を口の中へ、一本を鼻の孔へつっこみ)——れもかれも、孤児みなしごになるってわけにゃいかないや。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
仏教だけの理論ではないのです。それは、いつどこでもれもが、必ず認めねばならぬ、宇宙の真理です。偽りのない現前社会の事実です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
つて、わたしおなじやうでなかつたらうなるんでせう、このなかれがわたしなんでせう!まァ、それはおほきななぞだわ!
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
しかし、これだけでは、どれがれの弾丸で、どれが熊の生命いのちをとつたのか分りませんから、二人は小刀マキリを出して、その局所ところを切り開いてみました。
熊捕り競争 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
それを私ははばからずドシドシ雑誌に発表したので、どうも松村氏は面白くない、つまり嫉妬であろう。ある時
「文章? れの文章だい」「誰れのか分らんよ」「無名氏か、無名氏の作にも随分善いのがあるからなかなか馬鹿に出来ない。全体どこにあったのか」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
少くも骨の一片位はなくてはならんはずだが、品物はそのまま其処そこに身体は何処どこ渓間たにまへでも吹飛されたものか、この秘密はおそらくはれもくものはあるまい
越中劍岳先登記 (新字新仮名) / 柴崎芳太郎(著)
けれども鶴だって乃公おれに喰わせなければ死人しにんも同じ事だと答えたような塩梅式あんばいしきで、何時いつひやかして面白がって居る中に、るとき長与専斎ながよせんさいれかと相談して
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
学生は頭をかしげながら「一体貴方あなたはどこからきたのか」ときく。「日本からきた」「いつきたか」「今日きた」「この大学でれも知らないのか」「知らない」。
アラスカ通信 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
れと申すより、最初に新進作家の小栗緑太郎おぐりりょくたろうさんにお願いいたし度いと存じます、お話が済んだら、小栗さんから次の話し手を御指名下さるように願います」
何処どこの料理は美味うまいとか不味まずいとか言われてもれの料理だと知っている人は滅多めったにありません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
(第一おら、下座しもざだちゅうはずぁあんまい、ふん、おわんのふぢぁ欠げでる、油煙はばやばや、さがなの眼玉は白くてぎろぎろ、ってもさかずきよごさないえいくそ面白ぐもなぃ)
とっこべとら子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「プロレタリアに故郷はない」とかいう、れかの言葉を思い出して鷲尾は苦笑しながら田圃を横切った。百姓家などもまじっている部落は、もう見知らない人ばかりだった。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
ヂュリ あのかたは、ありゃれ? そのあとからかッしゃる……ありゃをどらなんだひとぢゃ。
「いや、いや、ここはれに来て貰わなくていい所なんだ。やはりホテルなど要らんね」
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
それで一人の老翁ろうおうを日夜、家の門に立たせて護らせている。この老翁は利巧な老人であった。智識にかけてはこの町の人のれよりもまさって困難な問いを考え、また複雑な謎を解した。
薔薇と巫女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
『少しおたずねしますがね。この造船所の構内で、ここ一両日の間に、れか誤って機械油をぶちまけてしまった、と言う様な事はなかったでしょうか? ほんの一寸ちょっとした事でいいんですが——』
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
秩父の山に偃松無しとは、れ主張するともなく、一般に認められていた事実らしかった。一寸ちょっと考えて無理のない話である。が、それは真実では無かった。破風山には立派に偃松が生えている。
秩父の奥山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
どの国でいつごろ始まって、どう流れたものか、どう世界へひろがったか、れが発明したものか一切不明であります、勿論もちろん私は歴史的な事を調べる事がうるさい性質ですからなおらわかりません。
楢重雑筆 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
じょう串戯じょうだんをするな、、誰だよ、御串戯もんですぜ。やぶから棒に土足を突込みやがって、人、人の裾を引張るなんて、土、土足でよ、、足ですよ、失礼じゃねえか、、何だな、、誰だな。」
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
れぞに問われたら、市へ奉公にやったと云うとくがえいぜ。」
電報 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
かなり夜になってもあれも意ママの悪い様に訪ねて来なかった。
千世子(三) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「アハハハハ。なんち云うて赤いゆもじはがためかい」
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
泣いてゐるとはれが知ろ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「わかって? あれ?」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
安「れが飯を吐いたか」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
……誰れが」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
たゞ何事なにごとはづかしうのみありけるに、しもあさ水仙すいせんつくばな格子門かうしもんそとよりさしきしものありけり、れの仕業しわざるよしけれど
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あたまねるぞ!』と女王樣ぢよわうさまこゑのあらんかぎさけばれました。一人ひとりとしてちゞあがらぬものはありませんでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
余が今見た影法師も、ただそれきりの現象とすれば、れが見ても、だれに聞かしてもゆたかに詩趣を帯びている。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
にんじんは、一人離れて、着物をぎはじめる。せているところや、足の恰好かっこうを見られるのがいやでもあるが、それより、ひとりで、はばからずふるえたいのだ。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
れから先方へ使者に行くのはれ、脅迫するのは誰れと、どうにもうにも手に余るやつばかりで、ややもすれば手短てみじか打毀うちこわしに行くと云うようなふうを見せる奴もある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
れがんだ歌だか、私にはわかりませんが、たしかにかみしめ、味わうべき歌だと思います。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
ヂュリ いま戸口とぐちからてゆかうとしてゐるのはれ?
「軍曹殿、れか応援に出して置きませんと——」
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
あれも面倒を見てくれる者がないんだ。」
(新字新仮名) / 黒島伝治(著)
それでっても負げるんでがんす……
春と修羅 第三集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
あれも来やしなかったろうね。
栄蔵の死 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
、誰です。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女「れが」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あゝわたくし高坂かうさか録之助ろくのすけおぼえてくださりました、かたじけなう御座ござりますとしたくに、阿關おせきはさめ/″\としてれも一人ひとりおもふてくださるな。
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
父さんはあれも知らない——母さんも、兄貴も、ねえさんも誰あれも知らない文句をひとこというんだ。それを知っているのは、父さんと僕とだけさ。すると、金庫の扉が開く。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
れがおまへふことなぞをくものか?』とつてあいちやんは、(此時このときまでにおほきくなれるだけ充分じうぶんおほきくなつてゐました)『おまへ骨牌カルタ一組ひとくみぎないではないか!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
この工風は私の新発明ではない、かつれかにきいたことがあるからやって見たのです。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
段々聞いて見ると、与次郎は従来から此雑誌に関係があつて、閑暇ひまさへあれば殆んど毎号筆を執つてゐるが、其代り雅名も毎号変へるから、二三の同人のほかれも知らないんだと云ふ。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ヂュリ 乳母うば、こゝへや。あのおかたれ?
れならどうしてとはれゝばことさまざまれはうでもはなしのほかのつゝましさなれば、れに打明うちあけいふすぢならず、物言ものいはずしておのづとほゝあかうなり
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「僕の前任者が、れに乗ぜられたんです」
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)