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溜
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だ
ふりがな文庫
“
溜
(
だ
)” の例文
そういった
人中
(
ひとなか
)
の商売は
黒人
(
くろと
)
のことですから、万事に抜け目がなく、たとえば売り
溜
(
だ
)
めの銭などは、バラで
抛
(
なげう
)
って置いてある。
幕末維新懐古談:42 熊手を拵えて売ったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
下水
溜
(
だ
)
めにだって何も恥ずかしい
軽蔑
(
けいべつ
)
すべきものはないじゃありませんか? わたしなんかまっさきにどんな下水溜めでも
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
この前の戦争で
狡
(
ずる
)
い奴らに先を越されて損をしたが、今度はチャンと要領を覚えたから、今度戦争になってみろ、
買
(
か
)
い
溜
(
だ
)
め、売り惜しみ、
闇屋
(
やみや
)
武者ぶるい論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
なにより先に、あなたとの思い出が書きたく、すでに書き
溜
(
だ
)
めの
原稿紙
(
げんこうし
)
も五六十枚になった頃、
偶然
(
ぐうぜん
)
、新宿の一食堂で、中村さんに逢いました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
小僧は見えかくれにそのあとに従いて行って、自分は木の実を千切ったり、
掃
(
は
)
き
溜
(
だ
)
めを漁ったりして喰べて行った。
猿小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
萠円山人
(著)
▼ もっと見る
さすが京都で育っただけに、肌の白さ美しさ、眼鼻立ちから姿から何んとも云えず
﨟
(
ろう
)
たけて見え、こんな山家へ持って来れば、正に
掃
(
は
)
き
溜
(
だ
)
めに鶴である。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
猫は目に見えて痩せて行きながら、
掃
(
は
)
き
溜
(
だ
)
めの
魚
(
さかな
)
の骨などをあさつてゐた。「つまり都会的になつたんだよ。」——彼はこんなことを言つて笑つたりした。
貝殻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
僕は
掃
(
は
)
き
溜
(
だ
)
めをあさる痩せ犬のように、鼻さきが鋭敏になって、あくまで耽溺の目的物を追っていたのである。
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
プティー・バンキエ街の
角
(
かど
)
の所に、腰の曲がった婆さんが、街灯の光を頼りに
掃
(
は
)
き
溜
(
だ
)
めの中をかき回していた。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
私はたんとお金も持つてはゐませんけれど、今日の売り
溜
(
だ
)
めを
皆
(
みんな
)
あげますから、それを、あなたがた、この鶴を見付けた人達の間で分けて、鶴は私に下さい。
竜宮の犬
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
貝塚
(
かいづか
)
即ち
石器
(
せきき
)
時代人民の
掃
(
は
)
き
溜
(
だ
)
めより
宗教上
(
しうけふじやう
)
の物を
發見
(
はつけん
)
すとは如何にも誠しからず聞こゆべしと雖も、
一定
(
いつてい
)
の時日を
經
(
へ
)
たる後、或は一定の
祭祀
(
さいし
)
を終りたる後は
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
貝塚
(
かひづか
)
といふのは、
前
(
まへ
)
にも
申
(
まを
)
したとほり、
昔
(
むかし
)
の
人
(
ひと
)
が
海岸
(
かいがん
)
だとか、あるひは
湖邊
(
こへん
)
だとかに
棲
(
す
)
んでゐて、
平常
(
へいじよう
)
食
(
く
)
つてゐた
貝殼
(
かひがら
)
やその
他
(
た
)
の
不用物
(
ふようぶつ
)
をすてた
掃
(
は
)
き
溜
(
だ
)
めの
跡
(
あと
)
であります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
後ろから
尾
(
つ
)
いてゆけば、加山、波越のふたりの潜行に邪魔をするようなものだから、いったん門を
閉
(
し
)
めて、雨水
溜
(
だ
)
めの天水桶を踏み台にして、高い塀の上にすがり、首が生えたようにして
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ゴミ
溜
(
だ
)
めのような棟割長屋の奥で、魚のように切られて死んでいるのを、
翌
(
あく
)
る朝になってから、隣に住んでいる、
蝮
(
まむし
)
の
銅六
(
どうろく
)
という
緡売
(
さしう
)
りの、いかさま
博奕
(
ばくち
)
を渡世のようにしている男が見付け
銭形平次捕物控:095 南蛮仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
怪我
(
けが
)
もしなかったことを私は安心しましたが、父はこんな突発的な場合にも素早く、馴れたものでそれというと、
葛籠
(
つづら
)
の中の売り
溜
(
だ
)
めを脇に
挟
(
はさ
)
んで
幕末維新懐古談:42 熊手を拵えて売ったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
時遷
(
じせん
)
は、腹のうちで「まず、目ぼしはついた」と、取ッて返した。その日は
旅籠
(
はたご
)
へもどって、忍び道具一式を調べ、さて晩になると、晩飯もたっぷり食い
溜
(
だ
)
め、真夜半、出かけだしたものだった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これは
馴
(
な
)
れ合い喧嘩というので、その混雑の中で、懐中を抜くとか、売り
溜
(
だ
)
めを
奪
(
と
)
ろうとかするのです。
幕末維新懐古談:42 熊手を拵えて売ったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
“溜”の解説
溜(ため)は、江戸時代において、病気になった囚人などを保護する施設である。
(出典:Wikipedia)
溜
漢検準1級
部首:⽔
13画
“溜”を含む語句
水溜
芥溜
埃溜
塵溜
吹溜
血溜
溜息
掃溜
足溜
肥溜
肥料溜
溝溜
一溜
溜塗
武者溜
蒸溜
溜間
溜水
蒸溜器
蒸溜水
...