トップ
>
垂
>
だ
ふりがな文庫
“
垂
(
だ
)” の例文
本堂の横の拾石に腰をおろすと、後ろから
跟
(
つ
)
いて來た人は、そつと平次の側に立つて、
首
(
くび
)
うな
垂
(
だ
)
れて何やら切つかけを待つて居る樣子。
銭形平次捕物控:304 嫁の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この前にも夜天神を散歩している時、お増は浮いた調子で磯野に歌を
謳
(
うた
)
って聞かせたり、暗いところをしな
垂
(
だ
)
れかかるようにして歩いていた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
根曲り竹も、楊の根も、樅の肌も、はた長くしな
垂
(
だ
)
れるサルオガセも、その
柔嫩
(
じゅうなん
)
の手に、一旦は、撫でられぬものはない。
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
朧月
(
おぼろづき
)
が
更
(
ふ
)
けている。——夜はまだ明けず、雲も地上も、どことなく薄明るかった。庭前を見れば、
海棠
(
かいどう
)
は夜露をふくみ、
茶蘼
(
やまぶき
)
は
夜靄
(
よもや
)
にうな
垂
(
だ
)
れている。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日間
(
ひるま
)
通る時、彼は
毎
(
つね
)
に赭くうな
垂
(
だ
)
れた
昨宵
(
ゆうべ
)
の花の死骸を見た。学校の帰りが晩くなると、彼は薄暗い墓場の石塔や土饅頭の蔭から黄色い眼をあいて彼を
覗
(
のぞ
)
く花を見た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
そういう変な光線のなかで、彼はふと彼の枕もとに誰かがうな
垂
(
だ
)
れているらしいのに気づいた。
恢復期
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
それとも
己
(
じぶん
)
と同じように一人で退屈しているから散歩に来て遊んでいるのだろうか、しかし、あんなにうな
垂
(
だ
)
れて考え込んでいるところを見ると何か事情があるかも判らない
蟇の血
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
前
垂
(
だ
)
れ
襷
(
たすき
)
の縁をはなれず、井戸端に米やかしぐらん、勝手元に菜切庖丁や握るらん、さるを
卑賤
(
さも
)
しき
營業
(
なりはひ
)
より昇りて、あの髭どのを少さき手の内に丸め奧方とさへ成り澄ませば
花ごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
うな
垂
(
だ
)
れて細い声で礼を云いました。
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
梅子はうな
垂
(
だ
)
れつ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
しな
垂
(
だ
)
れかかる四十男の醜さ、お富はゾッと寒気がして、父親の背後に逃げ込みました。
銭形平次捕物控:075 巾着切りの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
清左衞門はうな
垂
(
だ
)
れました。よくも斯うぬけ/\辯解が出來ると思ふよりも、
驕慢
(
けうまん
)
で才子肌で、人に頭などを下げた事のない丹之丞が、よく/\折れたのが氣の毒でもあつたのです。
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お霜の寢息を
覗
(
うかゞ
)
つて、夜半に半次の中間部屋に忍び込み、しな
垂
(
だ
)
れかゝるやうな恰好で、後ろから手を前へ廻し、デレデレして居る半次の胸、心の臟を突いた——奧方をやつた時と同じ手口だ
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次はガックリと首をうな
垂
(
だ
)
れます。
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次はガツクリと首をうな
垂
(
だ
)
れます。
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
源左衛門は首をうな
垂
(
だ
)
れました。
銭形平次捕物控:282 密室
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
垂
常用漢字
小6
部首:⼟
8画
“垂”を含む語句
垂下
垂々
垂髪
鼻垂
前垂掛
垂布
前垂
垂涎
垂幕
洟垂
垂氷
垂帳
直垂
枝垂
垂簾
垂頭
垂示
垂帛
耳垂
項垂
...