“前垂掛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まえだれが33.3%
まえだれがけ33.3%
まえだれかけ11.1%
まへだれかけ11.1%
まへだれがけ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
町人宗の開山福沢ふくざわ翁が富の福音を伝道しつつも士魂商才を叫んだ如く、当時の青年はコンパスや計算尺を持つ技師となっても、前垂掛まえだれがけで算盤そろばんを持っても、文芸に陶酔してペンを持っても
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
前垂掛まえだれがけ、昼夜帯、若い世話女房といった形で、その髪のいい、垢抜あかぬけのした白い顔を、神妙に俯向うつむいて、麁末そまつな椅子に掛けて、卓子テエブル凭掛よりかかって、足袋を繕っていましたよ、紺足袋を……
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小商人こあきんど風の一分別ありそうなのがその同伴つれらしい前垂掛まえだれかけに云うと、こちらでは法然天窓ほうねんあたまの隠居様が、七度ななたび捜して人を疑えじゃ、滅多な事は謂われんもので、のう。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この頃清野兵庫県知事が官吏をして、前垂掛まへだれかけになつて鈴木商店に入るといふ噂が頻りと立つてゐる。
のちに——丸山まるやま福山町ふくやまちやうに、はじめて一葉女史いちえふぢよしたづねたかへぎはに、えりつき、銀杏返いてふがへし、前垂掛まへだれがけ姿すがたに、部屋へやおくられてると、勝手元かつてもとから、島田しまだの十八九、色白いろじろで、のすらりとした
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)