“凭掛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よりかか61.9%
もたれかか14.3%
よりかゝ9.5%
よりかかり4.8%
もたれかゝ4.8%
よりかゝり4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夫人この時は、後毛おくれげのはらはらとかかった、江戸紫の襟に映る、雪のようなうなじ此方こなたに、背向うしろむき火桶ひおけ凭掛よりかかっていたが、かろく振向き
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だが、そこには栗鼠の毛皮の外套をつけた、僕にたいする敵愾心てきがいしんを青ざめた顔面に浮べた女性が寝台の柱に凭掛もたれかかっていた。
圭一郎はいきなり蒲團を辷り出て机に凭掛よりかゝり、父に宛てて一軒の家を持つた悦びを誇りかに葉書にしたゝめたが、直ぐ發作的に破いてしまつた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
翌朝よくちょう。画家は楽気らくげ凭掛よりかかり椅子いすに掛り、たばこみ、珈琲コオフィイを飲み、スケッチの手帳を繰拡くりひろげ、見ている。戸をたたおとす。
美人びじん見惚みとるゝとて、あらうことか、ぐつたり鏡臺きやうだい凭掛もたれかゝつたと他愛たわいなさ。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さきに——七里半りはんたうげさうとしてりた一見いつけん知己ちきた、椅子いすあひだむかうへへだてて、かれおなかは一隅ひとすみに、薄青うすあを天鵝絨びろうど凭掛よりかゝりまくらにして、隧道トンネル以前いぜんから、よるそこしづんだやうに
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)