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里半
主人は、一
里や、一
里半歩いていっても、これだけのたいが、みんな
自分のものになるのだと
考えると、ゆくことをいとう
気にはなれませんでした。
民子の
腕車も
二人がかり、それから三
里半だら/\のぼりに、
中空に
聳えたる、
春日野峠にさしかゝる。
先に——七
里半の
峠を
越さうとして
下りた
一見の
知己が
居た、
椅子の
間を
向うへ
隔てて、
彼と
同じ
側の
一隅に、
薄青い
天鵝絨の
凭掛を
枕にして、
隧道を
越す
以前から、
夜の
底に
沈んだやうに