“もたれかか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
凭掛50.0%
凭懸16.7%
靠掛16.7%
靠着16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
半ば渡った処、御城に向いた、欄干に、松を遠く、船を近くたたずんで、凭掛もたれかかったが、じっとして頬杖をいて、人の往来ゆききも世を隔てたごとく、我を忘れた体であった。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
帯を掴んで、ぐい、と引いて、おんなの膝を、洋服の尻へ掻込かいこんだりと思うと、もろに凭懸もたれかかった奴が、ずるずるとすべって、それなり真仰向まあおむけさ。傍若無人だ。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
婀娜なまめかしい襦袢の袖が縺れて、男の肩に纏綿まとはる。背後から靠掛もたれかかる樣に抱きついて密接ぴつたり顏を押し附けると、切なげに身を悶えて
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
舌鼓したつづみを打ちながら文三が腹立しそうに書物を擲却ほうりだして、腹立しそうに机に靠着もたれかかッて、腹立しそうに頬杖ほおづえき、腹立しそうに何処ともなく凝視みつめて……フトまた起直ッて、蘇生よみがえッたような顔色かおつきをして
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)