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出
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だ
ふりがな文庫
“
出
(
だ
)” の例文
町
(
まち
)
の
中
(
なか
)
で、かごからひばりを
出
(
だ
)
して、みんなに
見
(
み
)
せながら、あめを
売
(
う
)
る
男
(
おとこ
)
がありました。その
男
(
おとこ
)
を
見
(
み
)
ると、あそんでいる
子供
(
こども
)
たちは
ひばりのおじさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と
言
(
い
)
いながら、まさかりをほうり
出
(
だ
)
して、いきなり
熊
(
くま
)
に
組
(
く
)
みつきました。そして
足
(
あし
)
がらをかけて、どしんと
地
(
じ
)
びたに
投
(
な
)
げつけました。
金太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
處
(
ところ
)
で——
番町
(
ばんちやう
)
も
下六
(
しもろく
)
の
此邊
(
このへん
)
だからと
云
(
い
)
つて、
石
(
いし
)
の
海月
(
くらげ
)
が
踊
(
をど
)
り
出
(
だ
)
したやうな、
石燈籠
(
いしどうろう
)
の
化
(
ば
)
けたやうな
小旦那
(
こだんな
)
たちが
皆無
(
かいむ
)
だと
思
(
おも
)
はれない。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
といふのが、
幻花子
(
げんくわし
)
が、
小魔石斧
(
せうませきふ
)
や、
完全
(
くわんぜん
)
に
近
(
ちか
)
い
土器
(
どき
)
などを
掘
(
ほ
)
り
出
(
だ
)
したので、
余等
(
よら
)
の
發掘熱
(
はつくつねつ
)
がそろ/\
高度
(
かうど
)
に
達
(
たつ
)
しかけたからである。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
だから
稱
(
とな
)
へ
言
(
ごと
)
のうちにも、
神
(
かみ
)
のお
言葉
(
ことば
)
があり、ものがたりのうちにも、
神
(
かみ
)
のお
言葉
(
ことば
)
が
挿
(
はさ
)
まれてゐるもの、と
考
(
かんが
)
へ
出
(
だ
)
したのであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
「どれ」いや応なく取って見ると、
桐油紙
(
とうゆ
)
ぐるみ、上に唐草銀五郎様、
出
(
だ
)
し
人
(
て
)
の名は裏に小さく「行き
交
(
か
)
いの女より」としてあった。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
空
(
そら
)
を
焦
(
こが
)
す
狼火
(
のろし
)
……そして
最後
(
さいご
)
に
武運
(
ぶうん
)
いよいよ
尽
(
つ
)
きてのあの
落城
(
らくじょう
)
……四百
年後
(
ねんご
)
の
今日
(
こんにち
)
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
してみる
丈
(
だけ
)
でも
気
(
き
)
が
滅入
(
めい
)
るように
感
(
かん
)
じます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
老人
(
としより
)
に
子供
(
こども
)
だから
馬鹿
(
ばか
)
にして
思
(
おも
)
ふやうには
動
(
うご
)
いて
呉
(
く
)
れぬと
祖母
(
おばあ
)
さんが
言
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
たつけ、
己
(
お
)
れが
最
(
も
)
う
少
(
すこ
)
し
大人
(
おとな
)
に
成
(
な
)
ると
質屋
(
しちや
)
を
出
(
だ
)
さして
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『えゝ
只今
(
たゞいま
)
、
足下
(
そくか
)
に
御關係
(
ごくわんけい
)
の
有
(
あ
)
る
事柄
(
ことがら
)
で、
申上
(
まをしあ
)
げたいと
思
(
おも
)
ふのですが。』と、
市役所員
(
しやくしよゐん
)
は
居並
(
ゐなら
)
ぶ
人々
(
ひと/″\
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
が
濟
(
す
)
むと
恁
(
か
)
う
切
(
き
)
り
出
(
だ
)
した。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
シューラはおいおい
泣
(
な
)
いた。あたりのものがばら
色
(
いろ
)
の
靄
(
もや
)
に
包
(
つつ
)
まれて、ふわふわ
動
(
うご
)
き
出
(
だ
)
した。もの
狂
(
くる
)
おしい
屈辱感
(
くつじょくかん
)
に気が
遠
(
とお
)
くなったのだ。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
懐中
(
ふところ
)
から
塵紙
(
ちりがみ
)
を
出
(
だ
)
して四つに
折
(
を
)
つて
揚子箸
(
やうじばし
)
で
手探
(
てさぐ
)
りで、
漸
(
や
)
うく
餅
(
もち
)
を
挟
(
はさ
)
んで
塵紙
(
ちりがみ
)
の
上
(
うへ
)
へ
載
(
の
)
せて
忰
(
せがれ
)
幸之助
(
かうのすけ
)
へ渡して自分も一つ取つて、乞
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さう
云
(
い
)
ふ
時
(
とき
)
には
彼
(
かれ
)
は
急
(
きふ
)
に
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
した
樣
(
やう
)
に
町
(
まち
)
へ
出
(
で
)
る。
其上
(
そのうへ
)
懷
(
ふところ
)
に
多少
(
たせう
)
餘裕
(
よゆう
)
でもあると、
是
(
これ
)
で
一
(
ひと
)
つ
豪遊
(
がういう
)
でもして
見樣
(
みやう
)
かと
考
(
かんが
)
へる
事
(
こと
)
もある。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
然
(
しか
)
し
今更
(
いまさら
)
、
何
(
なん
)
とか
斯
(
か
)
とか
長文句
(
ながもんく
)
の
手紙
(
てがみ
)
も
書
(
か
)
けないものだから、『
承諾
(
しようだく
)
、
直
(
す
)
ぐ
來
(
こ
)
い』と
書
(
か
)
いた
電報
(
でんぱう
)
の
樣
(
やう
)
な
葉書
(
はがき
)
を
出
(
だ
)
したんだ、さうだ。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
玄竹
(
げんちく
)
は
當
(
あ
)
てこすりのやうなことを
言
(
い
)
つて、
更
(
さ
)
らに
劇
(
はげ
)
しく
死體
(
したい
)
を
動
(
うご
)
かした。三
人
(
にん
)
の
武士
(
ぶし
)
は、『ひやア。』と
叫
(
さけ
)
んで、また
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
した。——
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
姫は夜の闇にもほのかに映る
俤
(
おもかげ
)
をたどって、
疼
(
うず
)
くような体をひたむきに
抛
(
な
)
げ
出
(
だ
)
す。
行手
(
ゆくて
)
に認められるのは光明であり、理想である。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
それ
故
(
ゆゑ
)
に
二階
(
にかい
)
或
(
あるひ
)
は
三階
(
さんがい
)
に
居合
(
ゐあは
)
せた
人
(
ひと
)
が、
階下
(
かいか
)
を
通
(
とほ
)
ることの
危險
(
きけん
)
を
侵
(
おか
)
してまで
屋外
(
おくがい
)
に
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
さうとする
不見識
(
ふけんしき
)
な
行動
(
こうどう
)
は
排斥
(
はいせき
)
すべきである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
自分
(
じぶん
)
の
蒲團
(
ふとん
)
の
側
(
そば
)
まで
射
(
さ
)
し
込
(
こ
)
む
日
(
ひ
)
に
誘
(
さそ
)
ひ
出
(
だ
)
されたやうに、
雨戸
(
あまど
)
の
閾際
(
しきゐぎは
)
まで
出
(
で
)
て
與吉
(
よきち
)
を
抱
(
だ
)
いては
倒
(
たふ
)
して
見
(
み
)
たり、
擽
(
くすぐ
)
つて
見
(
み
)
たりして
騷
(
さわ
)
がした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何故
(
なぜ
)
そう
急
(
きふ
)
に
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
したかとの
君
(
きみ
)
の
質問
(
しつもん
)
は
御尤
(
ごもつとも
)
である。
僕
(
ぼく
)
は
不幸
(
ふかう
)
にして
之
(
これ
)
を
君
(
きみ
)
に
白状
(
はくじやう
)
してしまはなければならぬことに
立到
(
たちいた
)
つた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
カントの
超絶
(
てうぜつ
)
哲学
(
てつがく
)
や
余姚
(
よよう
)
の
良知説
(
りやうちせつ
)
や
大
(
だい
)
は
即
(
すなは
)
ち
大
(
だい
)
なりと
雖
(
いへ
)
ども
臍栗
(
へそくり
)
銭
(
ぜに
)
を
牽摺
(
ひきず
)
り
出
(
だ
)
すの
術
(
じゆつ
)
は
遥
(
はる
)
かに
生臭
(
なまぐさ
)
坊主
(
ばうず
)
が
南無
(
なむ
)
阿弥陀仏
(
あみだぶつ
)
に
及
(
およ
)
ばず。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
そこで、急ぎの客は、賃銀を
倍
(
ばい
)
出
(
だ
)
して、二人の人力曳にひいてもらうのであった。巳之助に先綱曳を頼んだのも、急ぎの避暑客であった。
おじいさんのランプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
大和
(
やまと
)
の
國
(
くに
)
のある
山寺
(
やまでら
)
の
賓頭廬樣
(
びんずるさま
)
の
前
(
まへ
)
に
置
(
お
)
いてある
石
(
いし
)
の
鉢
(
はち
)
の
眞黒
(
まつくろ
)
に
煤
(
すゝ
)
けたのを、もったいらしく
錦
(
にしき
)
の
袋
(
ふくろ
)
に
入
(
い
)
れて
姫
(
ひめ
)
のもとにさし
出
(
だ
)
しました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
そこから
着目
(
ちゃくもく
)
してある
程度
(
ていど
)
の
内偵
(
ないてい
)
を
進
(
すす
)
めて、その
容疑者
(
ようぎしゃ
)
を、べつべつに
任意出頭
(
にんいしゅっとう
)
の
形
(
かたち
)
で
警察
(
けいさつ
)
へ
呼
(
よ
)
び
出
(
だ
)
し、
井口警部
(
いぐちけいぶ
)
が
直接
(
ちょくせつ
)
に
訊問
(
じんもん
)
してみた。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
彼は余程忍び込みには経験があるらしく、庭園に面した廊下の端の
掃
(
は
)
き
出
(
だ
)
しの戸を簡単にこじあけ、仲間をさし招いてはいった。
すり替え怪画:烏啼天駆シリーズ・5
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
父
(
とう
)
さんの
田舍
(
ゐなか
)
では、
夕方
(
ゆふがた
)
になると
夜鷹
(
よたか
)
といふ
鳥
(
とり
)
が
空
(
そら
)
を
飛
(
と
)
びました。その
夜鷹
(
よたか
)
の
出
(
で
)
る
時分
(
じぶん
)
には、
蝙蝠
(
かうもり
)
までが一
緒
(
しよ
)
に
舞
(
ま
)
ひ
出
(
だ
)
しました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
奈美子
(
なみこ
)
は
白
(
しろ
)
い
布
(
きれ
)
で
頭
(
あたま
)
をくる/\
捲
(
ま
)
いて、
寂
(
さび
)
しい
彼
(
かれ
)
の
送別
(
そうべつ
)
の
席
(
せき
)
につれ
出
(
だ
)
されて、
別室
(
べつしつ
)
に
待
(
ま
)
たされてゐたことなぞも、
仲間
(
なかま
)
の
話柄
(
わへい
)
に
残
(
のこ
)
された。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「まあ、お母さん、どうしたんです? こんな所まで
這
(
は
)
い
出
(
だ
)
して来て。お母さんったら。——甲野さん、ちょっと来て下さい。」
玄鶴山房
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
かく
緑色
(
みどりいろ
)
は
植物
(
しよくぶつ
)
の、
特
(
とく
)
に
葉
(
は
)
に
固有
(
こゆう
)
な
色
(
いろ
)
で、われ/\は
木
(
き
)
といへば、すぐに
緑
(
みどり
)
の
色
(
いろ
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
さずにゐられないくらゐ
親
(
した
)
しい
色
(
いろ
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
鹿
(
しか
)
はおどろいて
一度
(
いちど
)
に
竿
(
さを
)
のやうに
立
(
た
)
ちあがり、それからはやてに
吹
(
ふ
)
かれた
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
のやうに、からだを
斜
(
なゝ
)
めにして
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
しました。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
かれその父大山津見の神に乞ひに遣はしし時に、いたく
歡喜
(
よろこ
)
びて、その姉
石長
(
いはなが
)
比賣を副へて、
百取
(
ももとり
)
の
机代
(
つくゑしろ
)
の物
二
を持たしめて奉り
出
(
だ
)
しき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
それが
年月
(
としつき
)
を
經
(
へ
)
るに
從
(
したが
)
つて
石
(
いし
)
が
崩
(
くづ
)
れたり、その
中
(
なか
)
に
木
(
き
)
の
種
(
たね
)
が
落
(
お
)
ちて
芽
(
め
)
を
出
(
だ
)
したりして、
塚
(
つか
)
の
上
(
うへ
)
に
樹木
(
じゆもく
)
が
茂
(
しげ
)
つて
來
(
き
)
たのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
此時
(
このとき
)
不意
(
ふゐ
)
に、
車外
(
しやぐわい
)
の
猛獸
(
まうじう
)
の
群
(
むれ
)
は
何者
(
なにもの
)
にか
愕
(
おどろ
)
いた
樣子
(
やうす
)
で、
一時
(
いちじ
)
に
空
(
そら
)
に
向
(
むか
)
つて
唸
(
うな
)
り
出
(
だ
)
した。
途端
(
とたん
)
、
何處
(
いづく
)
ともなく、
微
(
かす
)
かに
一發
(
いつぱつ
)
の
銃聲
(
じうせい
)
!
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
四
月
(
つき
)
すると、
木々
(
きぎ
)
の
梢
(
こずえ
)
が
青葉
(
あおば
)
に
包
(
つつ
)
まれ、
枝
(
えだ
)
と
枝
(
えだ
)
が
重
(
かさ
)
なり
合
(
あ
)
って、
小鳥
(
ことり
)
は
森
(
もり
)
に
谺
(
こだま
)
を
起
(
お
)
こして、
木
(
き
)
の
上
(
うえ
)
の
花
(
はな
)
を
散
(
ち
)
らすくらいに、
歌
(
うた
)
い
出
(
だ
)
しました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
つまみ
出
(
だ
)
して
障子
(
せうじ
)
を
締
(
し
)
めた、
殘暑
(
ざんしよ
)
といふものは
惡
(
わ
)
る
惡
(
わる
)
う
暑
(
あつ
)
い、
空氣
(
くうき
)
が
通
(
かよ
)
はないから
尚
(
な
)
ほ
更
(
さ
)
らである、
曇
(
くも
)
つてゐるから
頭痛
(
づつう
)
がする、たまらぬ。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
と
鳴
(
な
)
きながら、
雛鳥
(
ひな
)
が
匐
(
は
)
い
出
(
だ
)
してきました。それはばかに
大
(
おお
)
きくて、ぶきりょうでした。
母鳥
(
ははどり
)
はじっとその
子
(
こ
)
を
見
(
み
)
つめていましたが、
突然
(
とつぜん
)
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
夕闇
(
ゆうやみ
)
の中に泉邸の空やすぐ近くの焔があざやかに浮出て来ると、砂原では木片を燃やして
夕餉
(
ゆうげ
)
の
焚
(
た
)
き
出
(
だ
)
しをするものもあった。
夏の花
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
すると、涙が
溢
(
あふ
)
れ
出
(
だ
)
した。彼は泣きながら冷たい花を次から次へと虫のように嗅ぎ廻った。彼は嗅ぎながら激しい祈りを花の中でし始めた。
花園の思想
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
船に
乗組
(
のりくん
)
で居る人は皆若い人で、もう
是
(
こ
)
れが日本の
訣別
(
おわかれ
)
であるから浦賀に上陸して酒を飲もうではないかと
云
(
いい
)
出
(
だ
)
した者がある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
御持參有しに
間違
(
まちがひ
)
も有まじと思ひ右品
引換
(
ひきかへ
)
に金子御渡し申したりと
櫛
(
くし
)
を
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
して見せければ傳吉は再び
仰天
(
ぎやうてん
)
なしたりしが心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
すると
翌日
(
よくじつ
)
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
て
大層
(
たいそう
)
謝罪
(
しやざい
)
をされるから
何故
(
なにゆゑ
)
返事
(
へんじ
)
をしなかつたと
尋
(
たづ
)
ねると
返事
(
へんじ
)
は
端書
(
はがき
)
で
出
(
だ
)
して
置
(
お
)
きましたといふのです。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
そして、ちよつと
息
(
いき
)
を
入
(
い
)
れたやうな
樣子
(
やうす
)
をすると、
今度
(
こんど
)
はまた
頭
(
あたま
)
と
前脚
(
まへあし
)
を
盛
(
さかん
)
に
動
(
うご
)
かしながら
掘
(
ほ
)
り
返
(
かへ
)
した
土
(
つち
)
で
穴
(
あな
)
を
埋
(
う
)
め
出
(
だ
)
した。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
ふらふら歩いていた松木は、疲れた老馬が
鞭
(
むち
)
のために、最後の力を搾るように、また、銃を引きずって、向うへ
馳
(
は
)
せ
出
(
だ
)
した。
渦巻ける烏の群
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
『一、二、三、
進
(
すゝ
)
め』の
號令
(
がうれい
)
もなく、
各自
(
てんで
)
に
皆
(
みな
)
勝手
(
かつて
)
に
走
(
はし
)
り
出
(
だ
)
して
勝手
(
かつて
)
に
止
(
と
)
まりましたから、
容易
(
ようい
)
に
競爭
(
きやうさう
)
の
終
(
をは
)
りを
知
(
し
)
ることが
出來
(
でき
)
ませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「
入
(
い
)
らつしやいまし。」と
若
(
わか
)
い
女中
(
ぢよちゆう
)
が
上
(
あが
)
り
口
(
ぐち
)
の
板
(
いた
)
の
間
(
ま
)
に
膝
(
ひざ
)
をつき、
出
(
だ
)
してあるスリツパを
揃
(
そろ
)
へ、「どうぞ、お二
階
(
かい
)
へ。
突当
(
つきあた
)
りが
明
(
あ
)
いてゐます。」
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
漸
(
ようや
)
く
眼
(
め
)
に
慣
(
な
)
れて
来
(
き
)
たのであろう。
行燈
(
あんどん
)
の
輪
(
わ
)
が
次第
(
しだい
)
に
色
(
いろ
)
を
濃
(
こ
)
くするにつれて、
狭
(
せま
)
いあたりの
有様
(
ありさま
)
は、おのずから
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
の
前
(
まえ
)
にはっきり
浮
(
う
)
き
出
(
だ
)
した。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ヂュリ
乳母
(
うば
)
を
出
(
だ
)
してやった
時
(
とき
)
、
時計
(
とけい
)
は
九
(
こゝの
)
つを
打
(
う
)
ってゐた。
半時間
(
はんじかん
)
で
歸
(
かへ
)
るといふ
約束
(
やくそく
)
。
若
(
も
)
しや
逢
(
あ
)
へなんだかも
知
(
し
)
れぬ。いや/\、さうでは
無
(
な
)
い。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
やゝ色づいた
樺
(
かば
)
、楢、イタヤ、などの
梢
(
こずえ
)
から
尖
(
とが
)
った頭の
赭
(
あか
)
い駒が岳が時々顔を
出
(
だ
)
す。
寂
(
さび
)
しい景色である。北海道の気が
総身
(
そうみ
)
にしみて感ぜられる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ある日、彼は
祖父
(
そふ
)
の
家
(
いえ
)
で、そりくりかえって
腹
(
はら
)
をつき
出
(
だ
)
し、
踵
(
かかと
)
で
調子
(
ちょうし
)
をとりながら、
部屋
(
へや
)
の中をぐるぐるまわっていた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
月に十円ずつ出しとくれやす人はなかなかあらへんのやけど、放とくわけにも行かん故、間が悪いけど、川窪はんに
出
(
だ
)
いてもろうと思うとるんえ。
栄蔵の死
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
先
(
ま
)
づばけものとはどういふものであるかといふに、
元來
(
ぐわんらい
)
宗教的信念
(
しうけうてきしんねん
)
又
(
また
)
は
迷信
(
めいしん
)
から
作
(
つく
)
り
出
(
だ
)
されたものであつて、
理想的
(
りさうてき
)
又
(
また
)
は
空想的
(
くうさうてき
)
に
或
(
あ
)
る
形象
(
けいしやう
)
を
假想
(
かさう
)
し
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
そこで、わたしの
好
(
す
)
きな
子供
(
こども
)
たちよ。おぢさんはみんなとお
約束
(
やくそく
)
しよう。この
次
(
つぎ
)
に
出
(
だ
)
すおぢさんの
本
(
ほん
)
は、きつといい
本
(
ほん
)
で、もつと
安
(
やす
)
くすること、を。
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“出”を含む語句
出入
出来
出会
出立
外出
出來
出會
露出
思出
出発
湧出
出端
申出
言出
突出
目出度
出逢
退出
生出
抽出
...