“たぶらか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
76.2%
9.5%
誑惑4.8%
4.8%
騙着4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かの女は感覚にたぶらかされていると知りつつも、青年のあとを追いながら明るい淋しい楽しい気持になるのをどうにも仕様がなかった。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
素性すじょうを包んで能登守をたぶらかし、それを窮地に陥れたことを、にくむべき女、横着の女であるとし、それをうかと信用して疑わなかったのは、つまりは能登守の宏量こうりょうなる所以ゆえんであって
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
重井おもいの変心を機として妾を誑惑たぶらかさんの下心あるが如くなお落ち着き払いて、この熱罵ねつばをば微笑もて受け流しつつ、そののち数〻しばしばい寄りては、かにかくと甘きことばろう
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
上手にいひまわしたまふそのお口こそは、さきの日に我をたぶらかしたまへるお口よと。
葛のうら葉 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
零落おちぶれ果てた大男が、この藪原へ参りまして、私の父のもとへなど繁々しげしげ出入りを致しているうち、いつの間にか父を騙着たぶらかし、父に代って私の家のたばねをするようになりました。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)