“さながら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
宛然90.6%
宛如4.2%
如実2.1%
1.0%
宛態1.0%
雖然1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宛然さながら、ヒマラヤ山あたりの深い深い萬仭の谷の底で、いはほと共に年をつた猿共が、千年に一度る芝居でも行つて見て居る樣な心地。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
師弟の間柄が宛如さながら商売取引のように成ったのを、悉く不満に存じ居る折柄、是非先生の御看病を……
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
およ是等これら一味の友にわが見得せる所を如実さながらに分かち伝へんが為めに語らんとはするなり。
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
釣枝、立木たちき、岩組、波布なみぬの、浪板の如きはなはだしく不自然なる大道具おおどうぐさながら浮世絵における奥村政信おくむらまさのぶ鈴木春信すずきはるのぶらの美人画の背景にひとし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
俳優は皆奇異なるかつらと衣裳とのために身体の自由を失ひたるものの如く、台詞せりふの音声は晦渋かいじゅうにして変化に乏しきことさながら僧侶そうりょ読経どきょうを聞くのおもいありき。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
元氣の好い者は、ノートを高く振𢌞して、宛態さながらに演習に部下でも指揮するやうな勢だ、てもなく解剖室へ吶喊とつかんである。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
彼が毎朝大通で見るものは大概此樣な物に過ぎぬ。雖然さながら人間生活状態の縮圖である。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)