“あてが”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
宛行53.6%
21.4%
供給7.1%
7.1%
充行3.6%
3.6%
当飼3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
無斷で宛行あてがつても喜ぶことゝ思ひの外、祝言の盃の間際を脱け出して、山の上の荒れた庵室に旅畫師をたよつたのであつた。
ごりがん (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「きれいな子ですよ。お腫物でき一つできない……。」と言って、お銀は餅々もちもちしたそのもものあたりを撫でながら、ばさばさした襁褓むつきあてがってやった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
やっとのことで、門閥家もんばつかの、領地有りゃうちもちの、としわかい、教育けういく立派りっぱな、何樣なにさま才徳さいとく具足ぐそくしたをとこうもありたいもの、とのぞまるゝとほりに出來上できあがってゐる婿むこさがして、供給あてがへば、ともない
彼は何時もきまって二の次の燕麦しかあてがわれず、然もセリファンは『えい、この獄道め!』と言わないことには、決してそれを秣槽へ入れてくれなかったけれど、それでもやはり燕麦は燕麦で
喬介は撥形鶴嘴ビーターを受取ると、その柄先の穴を、例の鉄棒のさき充行あてがってグッと押えた。するとスッポリふさがって、撥形鶴嘴ビーターは鉄棒へぶら下った。
気狂い機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
この通りの姿勢をって、ここにぶら下っているこのズック製の呑口スパウトを、こちらの機関車のサイド・タンクの潜口マンホールへ向けて充行あてがい、給水タンクの開弁を促すために右でこの鎖を握り締めて
気狂い機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
ことばも何にも分らねえひげムクチャの土人の中で、食物もろくろくあてがわれなかった時にゃ、こうして日本へ帰って無事にお光さんに逢おうとは、全く夢にも思わなかったよ
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
姉さんもまた、人聞きの悪いほど、何だかだって食べたがる。精々何にも当飼あてがわないで、咽喉のど腹を乾しとかないと、この上また何かの始末でもさせられるようじゃどうすると思うんだ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)