放鷹たか)” の例文
ひとりは、左のこぶし放鷹たかを据え、獲物を入れる網ぶくろを、大小と反対のほうへげ、うしろに、はしこそうな茶いろの猟犬をつれていた。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いったい、放鷹たかをつかうのに、猿など連れて歩くという法はない」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それから小次郎が、暢気のんきな雑談をはじめると、清十郎は反対に、なにか落着かない顔いろが濃くなってゆく。自分のこぶしにすえている放鷹たかの眼のように、たえず焦々いらいらするふうが眸の底に光るのである。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)