たか)” の例文
同じ頃狩谷棭斎かりやえきさいむすめたかに少納言の称があったので、五百はこれにむかえてかく呼ばれたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
柏軒の正妻狩谷かりやたかの生んだ子は、幼くて死した長男棠助とうすけ、十八、九歳になって麻疹ましんで亡くなった長女しゅう、狩谷棭斎えきさいの養孫、懐之かいしの養子三右衛門さんえもんに嫁した次女くにの三人だけで
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
榛軒の弟柏軒はくけん、通称磐安ばんあんは文化七年に生れた。うしなった時、兄は二十六歳、弟は二十歳であった。抽斎は柏軒を愛して、おのれの弟の如くに待遇した。柏軒は狩谷棭斎のむすめたかめとった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)