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亢
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たか
ふりがな文庫
“
亢
(
たか
)” の例文
両手を後に組んで、白い顔をしゃんとこっちへ向けて、怒った気の
亢
(
たか
)
ぶりが現れたままの瞬きをして、入って行く宏子を見た。宏子は
海流
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
亢
(
たか
)
ぶった感情の流れるままに、あなたに恋人がありましょうとも、よしんば許婚がありましょうとも、そのようなことは数にも入れず
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
終景
(
ラストシーン
)
近くなって、筋は絞られ、感興は
亢
(
たか
)
まり、まさにワクワクし乍ら画面に見入って居ると、いきなり私の耳の傍で、若い美しい声が、緊迫した調子で
法悦クラブ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
場合によっては是の如きは魔境に
墜
(
お
)
ちたものとして
弾呵
(
だんか
)
してある経文もあるが、保胤のは慈念や悲念が
亢
(
たか
)
ぶって、それによって非違に
趨
(
はし
)
るに至ったのでも何でもないから
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
葉子は神経が
亢
(
たか
)
ぶっていて、落着きがなかった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
少し
疳
(
かん
)
が
亢
(
たか
)
ぶっている様子でキリキリと美しい眉を釣上げながら、平次の顔を正面から振り仰ぎます。
銭形平次捕物控:033 血潮の浴槽
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
怒り、失望、嫉妬の感情が、心を
亢
(
たか
)
ぶらせ頭を燃やし、安眠させようとしないのである。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ある箇所で気分的に
亢
(
たか
)
ぶったようなものがあると思うと、最後は、落語の下げのような文句が云われて問題は出発点へ逆もどりしたまま、おやかましゅう、とお開きになった形であった。
文学における今日の日本的なるもの
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
お楽はそう言って、
円
(
まる
)
い
顎
(
あご
)
を
襟
(
えり
)
に埋めました。銚子を持った
華奢
(
きゃしゃ
)
な手が少し
顫
(
ふる
)
えて、海千山千といった妖婦肌の女にしては、変に
亢
(
たか
)
ぶる感情を押えきれない様子です。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
でもそうやって、一年ごとにより進んだより多面な努力をつづけてゆくのは感心です。でも、父母が制作にかかって気が
亢
(
たか
)
ぶっていると、子供は(六歳)体をわるくしたりしてしまう由。
獄中への手紙:05 一九三八年(昭和十三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
駈け寄って来た浪之助、これもなつかしさに声を
亢
(
たか
)
ぶらせ
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
お樂はさう言つて、圓い
顎
(
あご
)
を襟に埋めました。銚子を持つた
華奢
(
きやしや
)
な手が少し顫へて、海千山千といつた
妖婦肌
(
えうふはだ
)
の女にしては、變に
亢
(
たか
)
ぶる感情を押へきれない樣子です。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして宮中脱出の念が一時に
亢
(
たか
)
まるのを覚えたのであった
喇嘛の行衛
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「そのお常さんは、不斷はあんなに確り者らしいが、妙に氣違ひ染みたところがあつて、氣が
亢
(
たか
)
ぶると、時々人前で裸になりたがる癖があつて、家中の者は困つてゐたさうです」
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その上近頃は
疳
(
かん
)
が
亢
(
たか
)
ぶつて、眠られぬ夜が多くなり、身體に脂がのつて、益々健康がよくなると
反比例
(
はんぴれい
)
に、氣持の上からは少しむづかしくなつて、男女關係のことに就ては、わけても
潔癖
(
けつぺき
)
になり
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
近頃疳が
亢
(
たか
)
ぶると言って、幾間も幾間も隔てて寝かしたり——。
新奇談クラブ:03 第三夜 お化け若衆
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
亢
漢検1級
部首:⼇
4画
“亢”を含む語句
亢進
亢奮
亢然
亢旱
心悸亢進
陳亢
亢々然
亢倉子
亢宿
亢揚
亢桑子
亢立
亢竜
亢進症
亢金竜