さと)” の例文
これがむくい一一三虎狼こらうの心に障化しやうげして、信頼のぶより隠謀いんぼうにかたらはせしかば、一一四地祇くにつがみさかふ罪、さとからぬ清盛きよもりたる。
痛しかゆしだ。このうえ下手にごねてみずから現職の地位を失うよりはと、彼もそこは利にさとく、軟化の色をやがて見せた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こういうときの領民は国主の慈眼を読みとることに甚ださとい。語らずといえども領主の心はよく知るのである。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)